体験場所:埼玉県新座市にあるアパート
もう5年以上前の話です。
今は全員引っ越したためもうそこに行くことはありませんが、当時、埼玉県新座市のとあるアパートの1階に自分の先輩にあたる人が仲間とシェアハウスをしていました。
高校生ながら私も時々お邪魔させていただいてました。
また私と同い年の友達も、学校が終わると先輩の家に行き、夜に帰宅するという生活を送っていました。
毎日のように先輩たちや友達と一緒にゲームをしたり映画を見たりしていました。
部屋には常に4~5人がたむろっていて、すごくうるさかったと思います。それに常にゴミが溜まっていて、結構汚かったです。絶対に近所迷惑になっていました。本当にすみません。
それは、ある春の日のことでした。
居間からベランダへ出るガラス扉に、白い手形がたくさん付いているのを誰かが発見しました。
本当に扉一面に付いていて、大きい手形も小さい手形もありました。
もちろん驚きはしましたが、一応外と繋がる扉ですので、子供のいたずらか、毎日うるさい私たちに対する誰かの当てつけか、いずれにせよ外部の何者かの仕業だろうと考え、心霊現象的なものと思うことはありませんでした。
その日はとりあえず雑巾で扉を拭いておきました。強く擦らなくても手形はすぐ落ちました。
でもその日から、2~3日に一度はガラス扉に手形を付けられるようになり、次第に私たちは拭くのも面倒で放置するようになりました。
多少気味が悪くもありましたが、他に何かされるわけでもないし、落ちない汚れでもなかったので、次第に誰も気に留めることもなくなっていきました。
そして夏を迎えた頃。
その頃には、そこに住む先輩たちも私たちも手形のことは完全に忘れていました。
そんな時でした。
今でもよく覚えています。
蒸し暑い夏の夜でした。
そこの住人である先輩たちはみんな出払っていて、私は同い年の友達と2人で居間にいました。
そんな時になぜかふと手形のことを思い出し、ガラス扉に目をやると、何も付いていませんでした。
誰か拭いてくれたのかと思い友達に、
「今日は手形付いてないね」
と言うと、友達もそれを確認し、
「そうだね」
と、私に同意しました。
それからたった1分間だけ、動画1本分だけ、当時流行り始めのTikTokの動画を2人で見ました。
見終わってからフッと再びガラス扉に目を向けると、びっしりと白い手形が付いていました。
音も立てず、1分の間に手形が出現していました。
私たちは慌てふためいて先輩に電話しました。
どうやら先輩は近所のファミレスにいたらしく、15分ほどで帰ってきてくれました。
事情も話さずすぐにガラス扉を確認してもらうと、手形は全て消えていました。
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