体験場所:東京都多摩地区
私は、お客様からのお電話お問い合わせに対応する仕事をしています。
今回お話する体験談についても、その電話対応を通して体験したことになります。
ですので、今回お話する体験場所としては私の職場である東京都多摩地区と回答いたしましたが、電話を掛けて来た先方の居場所は守秘義務により書けませんし、覚えてもいません。その点について予めご了承下さい。
ただ、とても不思議というか不可解というか、理解に至らない電話を受けた時の話です。
あるお客様から問い合わせの電話が入りました。
時刻は皆さんが普通に働かれているのと同じ日中の事だったと思います。
問い合わせ内容も特に難しいものではなく、通常案内の範疇だったと記憶しています。
先方は男性の方でした。
それほど若い方ではなかったです。
頂いた電話に対応していると、最初は気付かなかったのですが、途中から「うおぉーん」という、奇妙な、叫ぶような鳴き声が聞こえてくるようになりました。
電話先のお客様の背後から聞こえて来るようで、(お子さんが泣いているのかな?それともペット?猫ちゃんとかワンちゃん?鳥でもあんな声を上げる種類もいるのかな?もしかしたらテレビで絶叫映画でも見てるのかも?)等と、あれこれ私の中で思惑が飛び交いましたが、暫くの間はその鳴き声についてお聞きするのを躊躇していました。
ただ、段々とその声の音量が上がってきて、先方の話すら聞こえずらくなってきたのです。
こちらが聞き取りに支障が出る程ですから、直でその場所にいる先方はもっとうるさいのではないかと思い、結局私の方から、
「音声が聞こえずらい様ですが、私の声は聞こえていますか?」
と、問いかけてみたのです。
すると先方からは、
「はい。普通に聞こえていますよ。」
との返答。
(ええ!?嘘でしょう?)
その間も電話の向こうから叫び声は切れ間なく聞こえています。
先方に声の発信源があるとして、普通なら背後に対して、
「お父さん電話中だから静かにしてね。」
とか、あるいは電話先の私に対して、
「ちょっと猫(犬、鳥、または何か)がうるさくて、すみませんね。」
とか、もしテレビの音声ならボリュームを下げるかテレビを消すとかの対応がありそうなものですが、男性には一切そのような素振りはなく、戸惑うことなく普通に問い合わせの内容を進めようとしてきます。
その後も私はずっと(何だろう?何の声なの?)と思いながらも、何とか最後まで先方の聞き取りずらい問合せに対応して、とりあえずは事無きを得たのですが…
ですが、対応中は電話の向こうから聞こえてくる絶叫があまりにうるさくて、返答する私の声も多分どんどん大きくなっていって、おそらく先方は私のことを随分大声で対応する人だなと思ったことでしょう。
私自身でも対応に支障が出ていることには気付いていたので、よっぽど「そちらのその声は何ですか?」と尋ねたかったのですが、そんな風にお客様のプライベートな部分に踏み込むのはNGですし、先方も特に問題なく普通に聞こていえると仰っているので、それ以上確かめようもありませんでした。
今時、通信が混線して外部から別の音声が入り込むなんてこともないでしょうし、本当に不思議でした。
すぐ次に受けた電話にはおかしな音声は一切入っていませんでしたし、やっぱり先のお客様の時だけ聞こえた声だったようなのですが…
それからも暫くの間は、あの不穏な鳴き声のような絶叫ような声が耳に残って気持ち悪かったのですが、あまり気にしても仕方ないですし、ましてや答えを探るような行動は絶対によくないと思い、忘れるように努めました。
その後は同じような体験をすることもなく通常通り仕事ができています。
ただ、どこか私の中で引っ掛かりが残る、とても奇妙な体験でした。
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