【心霊スポット】高知県|スカイレストニュー室戸の怖い話「失くしたピアス」実話怪談・短編

投稿者:もも之花 さん(30代/女性/フリーランス)
心霊スポット:高知県室戸市 スカイレストニュー室戸
【心霊スポット】高知県|スカイレストニュー室戸の怖い話「失くしたピアス」実話怪談・短編

私はその日、友人のA子とバイクでのツーリングも兼ねて、高知県室戸市に住む友人B子の家に遊びに行きました。

天気にも恵まれ、気持ちよくバイクを走らせながら無事にB子宅に到着。
しばらくB子の家で和気あいあいと三人でおしゃべりを楽しんでいると、何が切欠だったのかは覚えていませんが、いつの間にか話題は怖い話になっていたんです。

するとB子がこんな話を始めました。

「幽霊レストランって、知ってる?」

その名前を聞いただけで興味津々の私たちにB子が話してくれたのは、その辺りではとても有名な心霊スポット『スカイレストニュー室戸』という、ずいぶん前に廃業した、海が見える展望レストランの廃墟跡の話でした。

好奇心に駆られた私たちが、その『幽霊レストラン』に行ってみようとなった事は何も不思議ではありません。そのくらいノリが良く好奇心旺盛な頃だったんです。

『スカイレストニュー室戸』、通称幽霊レストランは山道をかなり登った先にあり、しばらくは坂道をバイクで駆け上がりました。

ようやく到着したそこは、廃墟マニアが喜びそうな、奇抜な形をしたレストランの廃墟でした。

建物は時間の経過と共に劣化が進み、既に一切のガラスがなく、壁はひび割れ、ツタが絡み付き、その何とも言えない不気味な姿に私たちは一瞬息を飲みました。

とは言えまだ明るい時間だったこともあり、怖いと言うよりは、これからこの建物の中を探索することにウキウキしていました。

A子はいつもに増してテンションが爆上がりしていて、B子も早くキャーキャー騒ぎたくてウズウズしている様子です。私も含め三人とも、かなりハイになっていたと思います。

B子の話によると、幽霊レストランには真っ暗な地下があり、そこが一番幽霊が出ると言われる場所らしく、私たちは何はともあれその地下を目指すべく、中に足を踏み入れました。

昼でも薄暗い廃墟の中を、キャーキャー叫びながらウロウロと巡回し、最早自分たちでも何に悲鳴を上げているのか分からなくなっていました。

もちろん目的の地下にも行きキャーキャーと悲鳴を上げるのですが、騒いだ割りには特に何も起こらず、幽霊はおろか、影を見たり物音を聞いたりすることも全くありませんでした。

外に出てもまだ日は高く、

「何もなかったね…」

と言って、私たちは少し物足りなさを感じながら幽霊レストランを後にしました。

その後、室戸で有名なイルカスポットを楽しんだりした後、カフェでお茶をしていた時でした。

突然A子が慌てたようにポケットやカバンの中をガサゴソとして、何かを探し始めたんです。

「ない!ない!彼氏からもらったピアスがない!」

なんでも、気付いたら彼氏からもらった大事なピアスを失くしていたそうなのです。

仕方なく私たちは、A子が失くしたピアスを一緒に探すことにしました。

自分たちがそれまで訪れた場所を順番に戻り、落とし物が無かったか尋ねたり、自分たちでも地面に穴が開くほど見回ったのですが、ピアスは見つからず、残るは初めに行った幽霊レストランのみになっていました。

ですが既に日は沈み、辺りは真っ暗。
これからあの幽霊レストランに戻ることを私もB子も躊躇していたのですが、A子がどうしてもと言うので仕方なく、私たちは再び幽霊レストランを訪れることになったのです。

実際に夜の幽霊レストランに着くと、昼間とは比べ物にならないほど気味の悪い雰囲気で、私たちは中に入る前から圧倒され、なんだかゾクゾクと寒気を感じました。

「さすがに、怖いね…」
「…やっぱりやめとく?」

私やB子は怖気付いてそんな弱気発言をするのですが、A子がどうしてもピアスを取り戻したいと懇願するので、私もB子も意を決して再び幽霊レストランの中に足を踏み入れたんです。

ですが、廃墟の中をしばらく歩き回ったけどやっぱりピアスは見つからず、諦めかけていた私たちは、A子にせがまれ最後にあの地下を見に行くことになったのです。

あらかじめB子の家から持って来ていたライトを頼りに、しばらく地下を探し回っていると、

「あ、あった!」

と、A子が突然大きな声をあげました。

(まさかこんなところに…)

私もB子も、偶然とは言えよりにもよってこの気味の悪い地下にピアスを落としたA子のことを、多少訝しみもしましたが、とりあえずは(ああ、見つかって良かった)と思い、ピアス捜索を終えて外に出たんです。

ようやく外に出られた私たちは夜風の心地よさを感じながら、月明りの下、改めてピアスを確認してみたんです。

そして私たち三人は本気で凍り付きました。

だってA子が手に持っていたのはピアスなんかではなく、臍の緒みたいな肉感のある何かだったんです。

私たちは大きな悲鳴を上げ、手にしていたA子は思わずそれをぶん投げ、直ぐにバイクにまたがり無我夢中でそこから逃げ出したんです。

今思えばよく事故らなかったなと思うくらいのスピードで山を駆け下り、B子の家に戻っても三人ともしばらくはその気味の悪い体験に震えが止まりませんでした。

多少落ち着いてきた頃、警察に話すべきかとも考えましたけど、一瞬目にしただけのそれは臍の緒とも言い切れず、結局やめることにしました。

結局、あの幽霊レストランの地下でA子が手にしたものは何だったのか、未だに分かりません。

ただ後日、A子が無くしたと言っていたピアスが自宅で見つかったそうです。
と言うか、そもそもその日、A子はピアスなんてしていなかったそうで、なぜ失くしたと勘違いしたのか、A子にも分からないのだそうです。

とても奇妙で怖い体験でしたが、今冷静に考えると、もしかしたらあの夜、私たちは幽霊レストランに呼び戻されてしまったのかもしれないと思います。

昼間冷やかしに訪れた私たちに、罰を与えるために…

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