【怖い話|実話】短編「冴えてる彼女」不思議怪談(福岡県)

【怖い話|実話】短編「冴えてる彼女」不思議怪談(福岡県)
投稿者:ぽんきち さん(45歳/女性/自由業)
体験場所:福岡県福岡市

これは友人の男性に聞いた話です。

もう10年ほど前のことになります。

当時彼には、妙に勘が鋭い彼女がいたそうです。

実家暮らしだった彼女は、彼自身、自分でもよくこんな女性と付き合えたものだなと思うくらいの美人だったらしいです。

たまにお泊りするような間柄で、交際は順調に続いていたと彼は言います。

ここからは、彼の視点から話した方が分かりやすいのでそうさせて下さい。


フリーターだった私(彼)の生活に特に文句を言うわけでもなく、私と彼女は順調に時間を重ね、その頃には彼女は私のボロアパートに頻繁に遊びに来るようになっていた。

勘が鋭いなというのは一緒にいると分かってくるのだが、例えば新しいプリンターをA・Bどちらが良いか悩んでいると、B社のものがいいと彼女が選ぶ、すると後日、A社のプリンターに不具合が発生し回収騒ぎになる、といったようなエピソードは数え切れないほどある。

そんな彼女との付き合いも半年ほどを過ぎた頃だった。

彼女がやたらと引っ越しをすすめてくるようになった。

引っ越しをしてくれないのなら別れることも視野に入れる!とかなり強気だった。

付き合いだしてからこの部屋のことに文句を言ったことが無い彼女だったので驚きはしたが、確かに汚いし暗いしトイレも和式で、いいところといえば格安の家賃くらいといったところだったから、彼女の気持ちは理解できる。

面倒くさいことになったなと思いつつ、しかし特に困ることもなかったので、さして多くもない荷物をまとめて同市内の新しいアパートへと引っ越した。

3千円上乗せするだけで随分と部屋の設備も良くなり、引っ越しをすすめてくれた彼女には良い切欠をくれたと感謝した。

引っ越しから三か月くらい経った頃だった。

部屋でテレビを点けてバイトに行く準備をしていた。

流れてきたローカルニュースは火事を知らせるものだった。

なぜその火事のニュースに耳を奪われたのかというと、流れてきた音声が聞き覚えのある略称された住所を指していたからだ。

テレビには、長年見てきたあのボロアパートが完全に焼け落ちた映像が映っていた。

二階の部屋からの失火、煙草の火の消し忘れが原因であるらしいとニュースは告げていた。

運よく死者はいないようだった。

勘が鋭いとは思っていたが、ここまで何度も勘の鋭さを見せ付けられると、偶然では片付けられない何か妙なものを感じ、彼女が遊びに来た時に「君は本当に運が強いというか、勘が鋭いよね…」と話してみた。

あの時は何故かあの部屋に居たくないって気持ちがすごくあって、脅すようなことを言ってごめんね、と言われた。

霊感みたいなものがあるのか?と更に聞いてみたが、幽霊の類は見たことないときっぱり言われた。

もちろん予知夢なんかも見たことはないと彼女は言っていた。


ここからは再び私(筆者)の視点で書かせ下さい。

そんな風に、彼女との思い出話を聞かせてくれた彼が、更にこう話を続けました。

「彼女に特別な力はないらしいが…」

と、再び語り始めた彼の考察によると、彼女と一緒に行動すると、全ての行動がなんだか異様な程すんなり行くことが多いらしい。

でも、彼女自身が特別な力を持ち合わせている自覚があるようにも見えない。

そこで、彼が行き着いた答えが、

「多分、彼女は守護霊が強いんだ!」

霊感と呼べるものは全く無いと言う彼が、力強くそう語ってくれました。

ちなみにその彼女とは、勘とか全く関係なく価値観の違いから普通に別れてしまったそう。

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