【怖い話|実話】短編「最後のプレゼント」不思議怪談(海外・ドイツ)

【怖い話|実話】短編「最後のプレゼント」不思議怪談(海外・ドイツ)
投稿者:やんちゃ娘ママ さん(30代/女性/フリーランス)
体験場所:ドイツ

これは7年前に実際に体験した話です。

私には10歳上の姉がいるのですが、姉は私よりも前に結婚し何年も妊活に励んでいました。

しかし残念ながら妊娠ができず、後から結婚した私の方が早く妊娠・出産を経験しました。

姉夫婦は私の子供を自分の子供のようにたくさん愛情をかけて可愛がってくれました。

そのため私たち姉妹の仲はとても良好な関係が続いていました。

それから更に数年が経ち、姉夫婦は子供はあきらめて夫婦2人で人生を楽しみながら生きて行こう…そんな話も出だした頃、私たち姉妹の最愛の父が他界しました。

悲しみに暮れる中、父のお葬式も全て終わったある晩のこと、私の夢に父が出てきてくれました。

夢の中の父は、「〇〇(私の名前)にこれを渡したくて会いに来たんだ。絶対にみんなを幸せにしてくれるものだから、受け取って欲しい」と言って、何かキラキラ輝くものを渡してきたのです。

でも、夢の中の私は「私はもう持ってて十分に幸せだから、順番からいっても姉さんにあげるべきよ。」と父に嘆願。

父はにっこり微笑むと、何も言わず消えていってしまいました…という不思議ですが、なんてこともない夢だったのです。

しかし、なぜか印象に残り、夢から覚めてからもずっとこの夢のことを覚えていました。

それから2,3カ月後、姉から「妊娠した」という嬉しい連絡が入りました。

その時、私はあの夢のことを思い出し、夢の内容を姉に伝えると「それって、お父さんの持っていたキラキラ輝くものは赤ちゃんだったんだ。不妊で悩んでいた私を心配していたお父さんからの最後のプレゼントだったんだよ。〇〇(私の名前)も本当にありがとう」と2人で涙を流して喜びあいました。

その後、妊娠生活も順調に進んでいましたが、予定日よりもだいぶ前に受けた定期健診で問題が発覚。

担当医師より、「今すぐ帝王切開して赤ちゃんを取り出さないと、赤ちゃんの命が危ないですよ」と伝えられ、そのまま出産という予定外の流れになりました。

そして帝王切開で無事に出産…。

予定日よりだいぶ早く誕生した赤ちゃんですが、なんとその誕生日が亡くなった父の誕生日と同じ日だったのです。

予定日は2か月も先のことだったので、まさか父と同じ誕生日になるとは予想だにせず、家族全員びっくりしました。

亡くなった父の母(私たちの祖母)にいたっては、父の生まれた時の顔とそっくりだ、と涙を流しながら喜んでいました。息子(私たちの父)を失くしてからすっかり元気をなくしていた祖母は、姉の赤ちゃんを父の生まれ変わりだと言って一気に元気を取り戻したほどです。

家族全員に幸せを運んでくれた赤ちゃんの誕生秘話でした。

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