【怖い話|実話】短編「ずっと側にいる」不思議怪談(茨城県)

【怖い話|実話】短編「ずっと側にいる」不思議怪談(茨城県)
投稿者:しゅう さん(50歳/男性/自営業)
体験場所:茨城県県の高校~現在住んでいる東京都

その事を知ったのは、随分昔、私が20代中盤の頃でした。

当時のSNSの主流だったmixiで、たまたま高校時代の同級生の女の子と繋がりました。

二人とも茨城県で一緒の高校に通っていたのですが、当時は同じクラスになったことも無いため、直接の面識はなかったのですが、卒業アルバムを見て「いたいた!」となる程度にはお互いの顔を知っている間柄だったのです。

その子を仮にKさんとします。

Kさんは結婚を機に関東から中部地方へと引っ越していたのですが、ある時、私はたまたま出張でその近隣を訪ねる機会に恵まれ「せっかくだから飲みに行こう」となったのです。 

約束から2週間後、Kさんと無事に居酒屋で会うことができました。
暫し近況を話したり「誰々覚えてる?」など、旧知だからこその話題に花を咲かせました。

そんな話の流れでKさんが「◯◯君(私)って、高校時代の彼女、誰だったの?」と聞いてきたのです。

【怖い話|実話】短編「ずっと側にいる」不思議怪談(茨城県)-1
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どうやらKさんはこの日の約束をしてから2週間の間に、たまたま連絡をとっていた同じ高校の女子3人に私のことを話したらしいのです。

その3人は私のことを覚えていてくれたらしいのですが、それぞれ別々に連絡をとったにも関わらず、3人が3人とも多少ニュアンスは異なりながらも、こんなことを言っていたらしいのです。

「◯◯君って高校時代、長い黒髪の女の子と3年間ずっと一緒にいたよね」

【怖い話|実話】短編「ずっと側にいる」不思議怪談(茨城県)-2
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きちんと彼女達も私の顔をアルバムで確認した上での話だそうです。

それでKさんは、その長い黒髪の女の子が彼女だったんでしょ?と、私に聞いてきたのです。

しかし、私は高校時代、共学高校でありながらも3年間男子クラスという珍しい境遇にあり、彼女どころか校内に女子の友人すら2~3人しかいませんでした。
故に学校内は勿論、登下校も女子と歩いたことすらなく、全く身に覚えのない話に私は首を傾げました。

また、その話のもうひとつ不可解な点は、3人とも”長い黒髪の女の子”とは覚えているものの、その子が”誰”なのかは分かっていなかったことです。
3年間校内で一緒にいたということは同級生のはずだと思うのですが、3人とも同級生の同性にも関わらず、誰もその子が誰なのか知らないというのも解せない点ではありました。

そんな話をKさんから聞いたのを最近になって思い出すにあたり、当時は気にも留めていなかったことが今になって結びついて思い出されました。

Kさんと会ってから数年後、私は20代の後半から一人暮らしをはじめました。
何度か引っ越しもしているのですが、その生活の中で度々、トイレの便座蓋の上や、キッチンの上などで、明らかに短髪の私のものではない長い黒髪を見つけては、都度捨てていました。

【怖い話|実話】短編「ずっと側にいる」不思議怪談(茨城県)-3
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思い返すとそれは、彼女がいない時期、つまり長い黒髪が部屋に落ちているはずのない頃合いに起きていました。

それから月日は流れ、その月日の間には何度か結婚の話もあったものの、直前で破談になり、単に私が甲斐性なしなだけかもしれませんが、40代を過ぎた今も私は独身です。

もしかしたら、今も私のすぐ側に、長い黒髪の女性がいるのでしょうか・・・?

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