
体験場所:兵庫県A市のとある不動産会社
私は兵庫県A市で主婦をしております。
これは近所のママ友から聞いたお話です。
それまで専業主婦だった彼女は、子供が小学校に入ったのを切欠に働きに出ることに決めました。
早速無料のアルバイト情報誌やネットの求人サイトなどを使って色々と仕事を探してみたそうですが、専業主婦歴が長く特に資格も無かった彼女は、なかなか自分に合った仕事が見つけられず、焦る毎日を過ごしていたそうです。
時に強気になって高時給で人気の仕事に応募してみるのですが、やはり受かりません。
いくつか条件を妥協して応募してみたものの、それでも面接に呼ばれることすら稀で、徐々に落とされることにも慣れていったと言っていました。
そんなある日、求人サイトで時給のいいパートの募集広告を見つけたそうです。
特に資格も経験も必要ないというその仕事は、とある不動産会社の事務員のパートでした。
いつも通り面接すらしてもらえないだろうなと思いつつも、会社の場所が家から割と近かったこともあり、彼女は一応応募してみたそうです
それから2週間、その会社から連絡はありませんでした。
(あの時給の仕事だったら資格も経験もない自分より、もっと優秀な人がいっぱい応募しただろうし、仕方ないよな~)
と、多少は気落ちしたものの、直ぐに気を取り直して次の仕事を探し始めました。
しかし、応募から3週間が過ぎた頃、突然その会社から面接の案内が届いたのです。
彼女はとても驚きましたが、これはチャンスだと思い万全を期して面接に臨んだそうです。
面接は、主任と名乗る40代の男性と1対1でした。
日焼けした愛想のいい営業マン風の男性だったそうですが、彼女はなぜかその笑顔に嫌な印象を受けたそうです。
彼女の持参した履歴書を見た男性は、何故か家族構成を特に入念に確認し、早速採用を決めたのか、面接というより先に具体的な仕事内容の説明を始めたそうです。
「平日の午前中は、今面接をしているここの事務所で、主に書類整理とデータ入力をしていただきます」
そう言って男性の説明は始まりました。
先輩に当たる女性社員がいるので、細かいやり方は彼女に聞いてください。
午後になったら、この事務所から歩いて5分ほどのところに当社で管理しているアパートがあるのですが、そこの105号室の風通しに行っていただきたいのです。
掃除はしなくてもいいので、最低1時間は窓を開けてその部屋にいてください。
1時間が経ったら戸締まりをして、事務所に戻ってタイムカードを押していただければ結構です。
小学生の息子さんがいらっしゃるということですが、お休みの日の土日でも、息子さんと一緒に105号室に行っていただければ、その分の時給はもちろん、他に謝礼もお出しします。
そう言って笑顔を見せる主任でしたが、その目は全く笑っていなかったそうです。むしろギラついた目で「どうですか?」と身を乗り出してきた彼の姿を見て、彼女は固まってしまいました。
直感的にヤバいと思い、なんとか愛想笑いを浮かべた彼女は、
「…主人と相談してみます」
という決まり文句を残し、その場を後にしました。
「主任は不気味だし、105号室の話も意味が分からなくて嫌だったんだけど…」
眉間に皺を寄せ、最後にそう話し始めた彼女は、
「それより一番怖かったのは、105号室の話をしていた主任が『男の子が特にいいんですよね…』って呟いてたことなんだよね」
と、気味悪がりながら教えてくれました。
そのアパートの場所は具体的には分かりませんが、恐らく私が住む場所の近所であることは間違いないと思います。
その不動産屋は今も営業しています。
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