体験場所:静岡県浜松市
10年前、妹の旦那は37歳の若さで事故により亡くなりました。
妹夫婦は結婚してすぐに静岡に家を建てたため、旦那が亡くなった後も妹は子供二人とその家で暮らしています。
毎年お盆休みには妹の旦那のお墓参りも兼ね、私は両親と一緒に妹宅へ泊まりに行くのが恒例で、今年のお盆も妹宅を訪ねました。
午前中の内にみんなでワイワイとお墓参りを済ませ、「今日も暑いね~」なんて他愛ない話をしながら家に戻り、全員が玄関の中に入ったタイミングで、『ピンポーン!』と家のチャイムが鳴りました。
「宅配便でも来たのかな?」と慌てて外を確認したのですが、玄関先には誰もいません。
(田舎の一軒家なので見通しもよく、近くに人がいればすぐに分かります)
旦那がお墓から一緒に帰って来たのかもしれないね、と冗談めかして話すと、小学生の姪っ子(妹の子)が泣きそうな顔をしながら小さな声で「お父さんに会いたい…」と言いました。
「今夜夢の中で会えるといいね」
私はそう言って姪っ子を慰めました。
次の日の朝、起きてきたばかりの姪っ子が満面の笑みで「お父さんの夢を見たよ!」と教えてくれました。
姪っ子の話では、夜トイレに起きたらリビングの電気がついていて、「誰もいないのに何で電気がついているんだろう?」と消そうとしたところ、ソファーに亡くなった妹の旦那が座っていたとのことです。
姪っ子は飛び上がって喜んで、すぐに隣に座って「お父さん生きてたんだね!」「死んだのは嘘だったんだね!」と次々に話しかけていると、ふと気付いたら朝ベットに寝ていたとのことでした。
娘が嬉しそうにそう話すのを聞いて妹は「いいなぁ!私には会いに来てくれないの~?」と仏壇に向かって文句を言っていましたが、何だか家族の温かみのようなものを感じて私も嬉しくなりました。
更にその日のことなのですが、私たちが帰った後、妹は旦那が仲良くしていた親戚の家に挨拶に行ったそうなのですが、玄関で立ち話をしていたところ、
『ピンポーン!』
と、家のチャイムが鳴ったそうです。
すぐに玄関の外を確認しましたがやっぱり誰もおらず、昨日も誰もいないのに家のチャイムが鳴ったことを話すと、親戚は「きっと、そこにいるんだね…」と言って涙を流したそう。
お盆休みから半月ほど経ちましたが、その後は一度もチャイムが鳴ることはなく、姪っ子は「天国に帰っちゃったのかなぁ?」と少し寂しそうにしています。
そういえば、妹の家には犬が2匹いて、遊びに行くといつもワンワン吠えられていましたが、今年のお盆は一度も吠えられることはありませんでした。
妹の旦那は犬のしつけにとても厳しかったので、もしかしたら、あの日も吠えないように近くで見張っていてくれたのかもしれません。
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