体験場所:奈良県奈良市
奈良県の今住んでいる地域に私は30年以上も住んでおります。
たまに夜に散歩がてらコンビニにアイスやお酒を買いに行くのですが、そのコンビニまでは家からだいたい片道15分程で、気持ち速く歩いても確実に10分は掛かります。
ある夏のお盆過ぎのことでした。
うちに親戚が集まり子供もたくさんいたので、散歩がてらみんなにアイスを買ってきてあげようとコンビニへ向かおうとすると、親戚の小学生の子が「一人じゃ重いから」と付いてきてくれました。
二人で家を出たのが夜の20時前のこと。
分単位までは正確に把握しておりませんが、確実に19時45分は回っていました。
それから子どもと話しながらゆっくりと歩いたので、普段の一人歩きよりコンビニまで時間が掛かかりました。最低でも片道15分以上は掛かったかと思います。
コンビニ到着後、アイスを一緒に選んだのですが、二人だと余計に迷ってしまい、そこでも結構な時間が経過したと思います。
帰りも体感的に行きと同じくらいのペースだったと思います。
家に到着して時間を確認すると、まだ20時を10分ほど過ぎたばかり。
往復で30分以上は掛かっていますし、コンビニでもアイス選びに相当時間が掛かったはずです。
家を出発した時には確実に19時45分を回っていました。それからコンビニまで往復30分。それだけでも20時15分は過ぎているはずですし、更にコンビニでの滞在時間もありますから、いくらなんでも家に戻るのが早すぎだと感じました。
行く前に時計を見て20時前だったから「20時半過ぎには戻ると思う」と家族にも告げています。家族にそのことを確認しても「そやったか。確かに早く帰ってきたな~」と言うだけで、それほど不思議がってはいない様子でした。
「めちゃくちゃ早かったな~、不思議やな~」と一緒に行った親戚の子に笑いかけると、その子が真顔で言いました。
「満月やなくなってる…」
その子が言うには、行きの時は満月がきれいだな~と思いながら歩いていたそうなのですが、家に帰ってからもう一度月を見てみると、半月になっていたそうなのです。
私は月のことに関しては全く意識していませんでしたが、新聞にその日の月の形が書かれているので確認してみると、その日は半月だと記載されていました。
その子に見間違いじゃないかと再度確認しましたが、「絶対満月だった!」とえらい自信を持っています。
小学生とはいえ4年生。言うことが全く信用ならないとまでは言えない年齢です。
それにその子は埼玉県の子で、奈良の方が夜空が綺麗だと感じたらしく、満月もすごく綺麗に見えると感動していたと話します。
なんだか背筋がゾッとしたのを覚えています。
この出来後について深く考えると何だか怖くなるので、その日は親戚の子と「不思議やな~」とサラっと流すだけにしました。
翌日、親戚たちが帰るので片づけをしていた時のことです。
昨日のアイスを購入した時のコンビニレシートを見つけたので、購入履歴の時間を確認すると『20時10分』と記載されていました。
昨日家に帰り着いて時計を見たのが20時10分です。
つまり、最低でも片道10分はかかる道を、1分も経過せずに帰ってきた事になります。
家の時計がおかしい、もしくはコンビニの時間が間違っているのだと思い込もうとしましたが、どうしても親戚の子が言った事が胸に引っかかってしまいます。
「行くときは満月だったのに帰ったら半月になってた。」
もしかして今私がいるこの世界は、本来自分がいた時間軸や世界線と違うのでは…
そんな風に思っては漫画みたいだと笑ってごまかし生活しています。考えると恐ろしいので。
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