体験場所:海外(アメリカ、カリフォルニア州)
これは私の友人女性のAが、海外で体験したお話です。
彼女は看護師をしていて、アメリカのカルフォルニア州で母親と2人暮らしをしています。
最近、彼女は長年住んでいた家を離れ、新たに引っ越しをしました。
新しい家はとても広く快適なのですが、だからこそ殺風景な壁を少々寂しく感じていたAは、その日、思い切って壁に飾る絵画を購入するためにショッピングモールを訪れていました。
ですが、モール内をあれこれと探してはみたものの、なかなか良い作品に出会うことができませんでした。
(次回、また改めてチャンスがあれば…)
そう思い帰ろうとした矢先、ちょうどショッピングモール近くの公園の広場でフリーマーケットが行われているのを見つけました。
興味本位で見て回ると、一瞬でAの目を惹く素敵な絵画と出会いました。
その絵は、手前にカラフルな果物がたくさん描かれていて、その果物の先にはドアが描かれており、ドアの奥からは可愛いらしい女の子が姿を覗かせているという構図のものでした。
女の子は体をドアの向こうに隠したまま、ドアの側面に手を添えて、顔を少しだけ出してこちらを覗いています。
Aは可愛いらしい女の子の姿と果物のビビットな色味に惹かれ、その絵を即購入しました。
フリーマーケットでの買い物だったため、思っていたよりもだいぶ安く購入することができたそうです。
家に帰り早速リビングの壁に飾ると、殺風景な家の中が瞬く間に明るくなったように感じられ、母親も大変気に入ってくれました。
次の日、Aは夜勤の為、その日は夜から仕事に出かけました。
すると勤務中、母から突然電話が掛かってきました。
どうしたのかと思い電話に出ると、
「あなた、仕事に行く前にシャワーを浴びたでしょ?終わったらちゃんとシャワーのお湯を止めてよね!」
と母親は怒っています。
しかしAには外出前にシャワーを浴びた記憶はなく、母親と話が食い違います。
母親の話によると、出先から家に帰り洗面所で手を洗おうとすると、浴室からシャワーの音が聞こえ、Aが使っているのだと思いドア越しに声をかけたそうです。
しかし、何も返答が返ってこないので不思議に思い、浴室のドアを開けると、シャワーだけが流れていた…そんな奇妙なことがあったそうなのです。
それでもAは身に覚えがないと伝えると、
「もしかしたら家の中に誰かいるのかもしれない…」
と母親は怯えはじめ、更に続けて、
「最近、家の中で変なことが続いてるの…」
とAに伝えようとしたところで、
「今勤務中で長話しできないから、続きは家に帰ってから聞くよ。」
と言ってAは電話を切りました。
仕事を終えて家に帰り、改めて母親から話を聞くと、
「最近、誰もいないはずの家のあちこちで妙な物音が聞こえるの…」
と母親は不安げな表情で訴えるのですが、
「気のせいだよ。」
とAは、母親を安易に説得したそうです。
ですが、それからも家の中での奇妙な物音は続き、いよいよ大家さんに相談しようとしていた矢先のことです。
Aがリビングのソファでくつろぎながら、ふとあの絵を見ると、
(あれ?こんなに女の子の顔ってドアの外に出てたっけ?)
大部分がドアに隠れていたはずの女の子の顔。それがAの記憶にある以上にドアからにゅっとはみ出している。
瞬時に違和感を感じ、不気味に思ったAは母親にも確認してもらうと、
「気のせいよ。描かれてない部分の顔が出てくるわけないでしょ。」
母親からはそう言われましたが、Aは腑に落ちず、ずっと気になったままでした。
それからまたしばらく日が経ち、ふとその絵を見た時、Aは驚愕しました。
あんなに可愛いらしい微笑みを浮かべていた女の子の表情が一変し、もはや笑っているのか怒っているのか分からない不気味な表情を浮かべています。
更にドアにすっぽり隠れていたはずの上半身もドアからはみ出し、今にもこちらに近づいてきそうな、そんな恐ろしい絵に様変わりしていたのです。
その絵を目にした途端、Aは全身に鳥肌が立つのを感じました。
もはや流石に気のせいとは言っていられない状況に、急いでAは教会の神父さんに相談しました。
すると神父さんはすぐに家に来てくれたのですが、玄関に入るやいなや、
「この家には非常に強く危険なオーラが漂っている。今すぐにその絵をお祓いして処分しなさい!」
と、絵の奥の女の子を指差しながらAに忠告しました。
すぐにお祓い業者に依頼し、その日の夜、速やかに絵は処分されたそうです。
それからというもの、家の中で聞こえていた物音も一切無くなったそうです。
家中から聞こえていた物音や、母親が見た出しっぱなしのシャワー、それら全てが絵の中の女の子の悪戯だったのでしょうか?
もしも女の子がドアから完全に出てきたら、一体その時はどんな悪戯をされていたのか?と、Aは怯えながら話してくれました。
みなさんも中古の絵画を購入される際は、くれぐれもご注意ください。
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