【怖い話|実話】短編「非常口」心霊怪談(青森県)

【怖い話|実話】短編「非常口」心霊怪談(青森県)
投稿者:マーポン さん(20代/男性/会社員)
体験場所:青森県青森市 某ホテル

これは私がお付き合いしていた女性(以後”Yさん”)と、某ラブホテルで体験した話です。

そのホテルは青森市の郊外にあり、地元民なら普通は泊まりに行かないようなホテルです。なぜなら、見た目が古く、少し不気味で、ポツンとあるし、わざわざそこに行かなくても街中には綺麗なホテルがたくさんあるのですから、当然そうなるのだろうと思います。

そんなホテルですから、いつもなら宿泊の際に思い付きもしないのですが、なぜかその時だけは「あのホテルに行こう!」と2人の意見が一致して、向かうことになったのです。

私自身に霊感というものは全くないと思うのですが、Yさんは少しそういった感度が高かったように思います。そのホテルの部屋に入った時も、私は「ボロいなー」という感想しか出てこなかったのに、Yさんは部屋の入り口で立ち止まり「この部屋怖い。ホントに怖い。」とずっと言い続けていて、なかなか部屋の中に入れないでいました。

今までもYさんがこんな風に怖がっている光景を何度か見たことがあったので、その時も私は「そんな気にすんなって~笑」と、適当に言い流したのです。

その部屋は、ベットに横たわると足元方向に非常口があり、非常口のドアを開けると、少しだけベランダのようなスペースがありました。私は出ませんでしたが、Yさんはそのスペースに出るなり、さっきまで怖がっていたくせに「ねぇ!!こっちおいでよ!!眺めがきれいだよ!!」と急にはしゃぎ出しました。私はあまり興味がないので「いやいいよ」と断りました。

その夜は、お互い風呂に入るなり、夜食を食べるなりして時間を過ごし、寝床につきました。

翌朝、私は普通に目を覚まし、出発の支度をしていました。
するとYさんが「夜中、私が〇〇君にくっつきにいったの覚えてる?」と聞いてきたので、全く記憶になかった私は「全然覚えてない」と答えました。

するとYさんは「嘘だ~!『怖くてくっついてきたの?』って私に聞いてきたじゃん!」と言うのです。

本当に記憶にないので、その時の状況を詳しく聞いてみると、Yさんは夜中にふと目が覚めたそうなのですが、横になったままなんとなく足元の方にチラッと目をやると、非常口の方から、おそらく中年男性のものと思われる『足』だけが、こちらに向かって歩いてきたのだと言うんです。

そんな信じられない光景を目の当たりにしたYさんは、「絶対気のせいだ!」と自分に言い聞かせ、私にくっつき、無理矢理もう一度眠りについたそうなのです。すると朝方になって急に私から『怖くてくっついてきたの?』と聞かれた、ということらしいのです。

非常口から『足』だけが現れた…とは一体どういうことなのか?
それに私には朝方Yさんに声を掛けた記憶など一切ありません。

話を聞いているうちに鳥肌が止まらなくなり、私たちはすぐにそのホテルを後にしたのです。

あとになって考えてみると・・・
あの部屋に入る時はとても怖がっていたYさんが、非常口から出るなり急にはしゃぎだして私を呼んでいたこと。それに非常口の方から現れた中年男性と思しき謎の足。非常口が絡むそれら二つには、何か繋がりがあったとしか私には思えないのです。

そして、朝方になってYさんに声を掛けたという、私。
それって本当に『私』なのでしょうか?

もしかしたら…

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