【怖い話|実話】短編「看護師寮の開かずの三階」心霊怪談(愛知県)

投稿者:kage_p さん(52歳/女性/看護師)
体験場所:愛知県H市の某病院

これは、私がまだ20代の頃の話です。

当時、愛知県H市の某病院に勤めていた私は、まだ看護師に成り立てで、勉強と仕事に打ち込みたいと思い、病院に併設されている看護師寮に入寮しました。

看護師寮
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4階建ての寮は、1、2、4階に看護師達が入っており、3階はフロアー全てが使用されていませんでした。

私は2階の空いている部屋に入る事になりました。

(何故、3階は使用しないのか?)

不思議に思っていた私は、先に入寮していた友人に尋ねると、

「3階は開かずの階だから」

との返事でした。

よく分かりませんでしたが、私は2階ですし、関係ないと思い詳しい事はそれ以上聞きませんでした。

入寮して気付いたことと言えば、やたらと同じ夢をよく見るようになりました。

しかも、起きた後も鮮明に覚えている夢を見るのです。

その夢とは、寮の部屋で寝ていると、部屋の入り口から窓に向かい人が一列に並んで通って行く夢です。

天井に上半身が食い込んでいる人(下半身だけが空中を歩いている感じ)や、床から胸部より上が出ている人等、その状態は様々です。一列ではあるのですが、歩く場所の高さはまちまちといった感じです。

一列に歩く人たち
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時々、誰かが喋りかけてきて、私は寝ながら返事をしてしまい、自分の声で「はっ!」として目が覚めてしまうという事もありました。

私は普段怖がりなのですが、何故かこの夢を見ても怖いといった感覚にはなりませんでした。

病院に併設される寮という環境からか、こういうものなのだという認識しかなく、ある意味なにか不可思議なものに対し麻痺した状態だったのではないかと思います。

また、その夢と同時期に私の周囲で起こっていた現象として、就寝しようとすると隣の壁から「ドン」という音が数回鳴るのです。

ですが、隣の住人が毎日寝る前に逆立ちをしているという話しを聞いていたので、こちら側の壁にもたれ掛かってやっているのだろうと思い気にもしていませんでした。

そんなある日、同じ寮の友人達数名と、私の部屋で食事をする機会がありました。

そこには隣の部屋の住人も来ていたので、良い機会と思い、あまり遅い時間に逆立ちしないようお願いしました。

「逆立ちはいつもしてるけど、壁にはもたれていないよ。」

との返事でした。

では、あの「ドン」という音は何なのでしょう?

原因不明の音の話から、私たちの会話は妙な感じに展開し、別の友人は、

「寝ていると、両足を引っ張られて部屋中引きずられる夢を良く見る。その時、背中に当たる畳の感触が妙に生々しくて、とてもリアルな夢なんだ。」

という話をしていました。

また、別の人は、

「夜勤が終わって風呂に入ると、必ず誰かが入ってくる音がする」

という話をされました。

これについては、私も覚えがありました。

入浴中にお風呂の入り口が空く音がするのですが、振り向いても誰も居らず 、私は気のせいにしていました。

風呂場の侵入者
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そんな話で盛り上がっていると、

『ガシャーン』

という音が頭上から聞こえました。

まるで、真上の部屋で大きな花瓶でも叩きつけたような音でした。

「・・・何!?」

私が上の階を見に行こうとすると、その場にいた友人達に止められました。

そう、上の階は誰も住んでいない3階なのです。

私を引き留めた友人の話では。。。

数年前、寮の3階に住んでいた看護師が交通事故で亡くなったとの話です。

その後、寮の3階では赤いパジャマを着た人が立っているのを目撃する人が増えたそうです。

厳密に言うと赤いパジャマではなく、事故にあった看護師が血だらけで立っているのだそうです。

三階の看護師
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そんな噂が広がり、やがて3階は使用しない事になったとの話です。

その後、私は寮を出ましたが、数年後、入寮希望が増え、3階も使用することになったと聞きました。

今住んでいる人たちは、一体どんな体験をしているのでしょうか…

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