【怖い話】心霊実話|短編「狐とお雛様」青森県の恐怖怪談

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投稿者:てゃん さん(20代後半/女性/主婦/青森県在住)
体験場所:青森県 自宅
青森県:狐とお雛様

これは私が青森県の自宅で実際に体験した話です。

私には小さい頃から霊感があり、それはおばあちゃんからの遺伝だと聞いていました。

葬式や法要でお寺に行くと、モヤッとした影の様なものが見えたり、車を運転していると、人ではないものが目の前を横切ったり、お盆にお墓に行くと明らかな霊の姿を見る事もしばしばで、そんなことが日常茶飯事でした。

普段からそのような感じなので、あまり細かい怪異は気にも止めていなかったのですが、中には幾つか怖い体験もあるんです。そんな中の一つです。

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一週間の内で唯一旦那が休みの日曜日、私たちはいつも通り子供と一緒にデパートに出かけました。

そのデパートに向かう途中で、道路に横たわっている狐の死骸を見たんです。

私が住むその地域は、今でこそ道路が走り車が行きかっていますが、昔は山や森しかない場所で、今でも猿や熊が出ることも珍しくなく、歩道を野ウサギが歩いていたりする土地です。

なので、車に轢かれた動物の死骸を目にすることは珍しくないのですが、やはり目にしてしまうと可哀そうと思うものです。

その日も自分が思っている以上にその狐に同情してしまったのでしょう、だからその夜、あんな怖い体験をすることになってしまったんだと思うんです。

その日の夜のこと。
当時は下の子がまだ産まれていなかったので、いつも通り親子三人、川の字になって横になっていました。

夜中の1時頃でした。
子供はスースー寝息を立てて寝ていて、その両隣で私も旦那も携帯で漫画や動画を見ていた時です。

『ティティティティ~♪』

旦那のすぐ後ろにあった押し入れの中からオルゴールの音がしたんです。

押し入れの中にはかれこれ15年程入れっぱなしのお雛様があって、そのひな壇に飾るオルゴールがワンフレーズだけ鳴ったようでした。

怖いのが苦手な旦那は直ぐに飛び起きて狼狽えていました。

私はと言うと、至って冷静でした。

と言うのも、オルゴール等の機械は、気温の変化で勝手に音が出たりすると以前ネットで見たことがあったので多分そのせいだろうと思ったからです。

でも旦那は気になって眠れなくなってしまったようで、中のお雛様を確認しようと言ってきかないのです。

普段は何があっても呑気にしている旦那ですが、その時だけは気が気じゃない様子で、青い顔して怯えていたんです。

「しょうがないな~」

そう言って、私は押し入れを開けて、中から雛人形が入っている箱を引き摺り出しました。

そして箱の隙間に指を入れて開封しようとした時、一つ気が付いたんです。

箱の隙間から何かの毛が出ていることに…

少し蓋を開けて中を覗き込むと…

そこには明らかに髪の毛が伸びたお雛様と、その髪の毛のところどころに、綿のようになった薄茶色の動物の毛のようなものが混ざり込んでいたんです。

(あ、これはやばいやつだ。)

そう分かった瞬間、背筋がゾワッと粟立ちましたが、しかしこれ以上旦那に騒がれるのも嫌で、

「大丈夫みたい。」

と一言だけ言って、すぐに蓋を閉じ、一旦私だけ部屋を出ました。

その日、私たち三人は違う部屋で寝ました。

怖くてほとんど眠れなかったのを覚えています。
旦那も眠れなかったようで、明け方まで携帯の光が漏れていました。

次の日の朝、同居する母に理由を説明して、お雛様が入った箱の中を調べてもらったんです。

母がゆっくりと箱を開け、中に手を入れ人形を取り出している様子を、私は横目で見ないようにして見ていました。

すると、チラッと視界の端にお雛様の顔を捉えてしまったんです。

そこにいたお雛様の髪は、以前と同じ、綺麗に整えられた髪の毛でした。

(もしかして、昨晩は私が寝ぼけて見間違えたのかしら…?)

そう思った矢先、

「これ、何かしら?」

そう言って母は、箱の中から束になった薄茶色の動物の毛のようなものを取り上げました。

その瞬間、私は昨晩の恐怖が甦って凍り付きました。

しばらくして落ち着いてから、一つ気になる事があったので、まだ日が高いうちにその毛を袋に入れて車を出し、知り合いの獣医に見てもらったんです。

そして、私が持ち込んだ毛をあれこれと調べてくれたその獣医はこう言ったんです。

「これは狐の毛だねぇ、飼ってるの?」

(やっぱり…)と思いながらも、

「飼ってません…」

とだけ私は答え、昨日、道路に横たわっていた狐の死骸のことを思い出していたんです。

死んでいる動物のことを可哀想だと強く思うと、その心に霊が付け込むという話は聞いたことがあります。

きっと道路で轢かれていた狐に、私が強い思いを抱いてしまったのでしょう。

それからは動物の死骸を見ても、それに気が付いた時点で、見ないように、考えないようにしています。

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