【怖い話】実話怪談|長編「家に殺される」静岡県の心霊体験談

投稿者:Miki さん(40代/女性/自営業/東京都在住)
体験場所:静岡県御殿場市

私は、昔から霊感体質です。
子供の頃から『この世のものでないもの』が見えることは当たり前でした。

有名な除霊師だった祖母から「あんたが私の後継ぎだ」と言われた頃から、私にも除霊が出来るようになりました。

具体的な除霊方法は伏せますが、この世に未練のある「何者」かの声を聞き、成仏させるのが私の役目となったのです。

私が除霊できることは人づてに伝わり、ある日、初めての依頼が私に舞い込んで来ました。

静岡県:家に殺される
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静岡県御殿場市に暮らす依頼主のA子さんは、訳あって旦那様と別居しており、子供を連れて一時的に実家に身を寄せていました。

「あの家にはいたくなかった…」

A子さんはそう話し始めました。

彼女は30代後半でしたが、やせ細った体に、そのままの髪の毛は白髪も多く、年の割に老けているように見えました。

彼女が「いたくなかった」と言うその家は、3人目の子供を妊娠したのを切欠に購入したのだそうです。

建て売りで購入した一軒家は、広い庭付きの2階建てで、ご主人と3人の子供達と暮らすには充分な広さの日当たりの良い家だったと言います。

建築関係の仕事をされているご主人は、その家の構造なども含めて気に入っていたそうです。

しかし、その家に移り住んですぐのこと、そのご主人が倒れてしまったそうです。

病院ではどこも悪くないと言われたそうなのですが、日に日に食欲がなくなり、目に見えて覇気がなくなっていったご主人は、遂には仕事も休みがちになったのだそうです。

上の子供は小学校入学を控えた元気いっぱいの男の子。
真ん中の子は3歳。
そして、生まれたばかりの赤ちゃんを抱えながら、日々の育児や家事に追われるA子さんは、遂には無気力なご主人に対し「仕事に行ってもらわないと生活できない!」と訴えていたようです。

ここまでの話を聞く限りでは、ご主人が心の病に侵され、育児や家事に奔走する彼女が、ある意味ノイローゼに陥っているだけのように思うかもしれませんが、私はその裏には「何かある」と感じました。

A子さんの話を聞き終え、後日、彼女とその静岡県御殿場市の家で待ち合わせることにしました。

当日、私は東京から車で向かいました。

到着して目にしたその家は、日当たりが良いと聞いていましたが、真っ暗な闇に覆われているように見えました。まるでその家にだけ黒い靄がかかっているような…

1階にある広いリビングに入ると、家事をする人がいないせいか、そこは驚くほどに散らかっていました。

他の部屋も見て回りながら、A子さんの子供たちの話を聞いていると、この家にはA子さん以外の女の人がいると言うのです。

更に子供たちはこう続けました。

「パパは夜になると、その女の人と話をしているよ。」

やはりご主人は、この世ならざる者と接触していると確信しました。

しかし、そのご主人は2階の部屋に閉じこもったきりで出てくる様子はありません。

仕方なく、私はご主人の話を聞く前に霊視を開始しました。

子供たちが言う、この家にいる『女の人』と話す為です。

すぐにその女性の霊とはコンタクトを取ることが出来ました。

とても友好的に感じられるその女性霊から、私はこの家に関わることを色々と教えてもらいました。

庭にあるハナミズキの木は、この家が建つ前からあったようで、かつて、その木で自ら命を絶った人がいること。

また、床下には埋め立てられた井戸があるということ。

その女性霊はこの家にまつわる色々なことを教えてくれたのですが、

「ここを出ていきなさい!」

と、最後には私に強い口調でそう告げて、その理由までは教えてくれませんでした。

家の中はやはり空気が重く、何かあるのは間違いないと確信しておりました。

しかし、その女性の霊以外に、成仏されていない霊の存在は家の中には視えませんでした。

家の外も見て回りましたが、いわゆる「この世のものではない気配」は感じ取れず、除霊しようにも何を除霊すれば良いのか正直分かりませんでした。

その日はもう他にやれる事は何もないと判断し、私は1か月後にまた訪問することをA子さんに約束して、その家を後にしました。

そして1か月後、再びその家を訪れた時に分かりました。

この家自体が怨念を持っているということに。

人ではなく、『モノ』である家が意思を持ち、この家に住む人間を呪っているのです。

いわゆる『霊』ではないものが相手となると、私には手の施しようがありませんでした。

それでも危険な状態にあるご主人だけでも何とか救いたいと思い、部屋から出てきてくれるように頼むのですが、「帰ってくれ!」と語気を荒げて言われるだけでした。

A子さんには、

「残念ながら私には力添えできることはないようです。」

と伝え、家を手放すことを勧めました。

「そうします」

彼女もそう言って納得されたようでした。

自分の力のなさを悔やみましたが、ご主人の体調もその家から出ることで回復されると確信し、私はその場を後にしました。

しばらくしてA子さんから、

「家族全員で家を出て、今アパートで暮らしています」

と連絡をもらいました。

ご主人も仕事に復帰され、離婚も回避されたようで、私は安堵していました。

それから半年ほど経った頃でしょうか。

「主人も子供もあの家に帰りたいと言うのですが…」

と、再びA子さんから連絡がありました。

それは絶対に止めた方がいいと忠告しましたが、家を売りに出しても買い手が付かず、ローンも残っている為、そのままにしておくのはもったいないからと、ご主人は帰ることを決意されたのだそうです。

子供たちも狭いアパートよりも、広い庭のある家で遊びたいと思っているとのことでした。

「それでもあの家に戻ることは絶対に避けるべきです」

私はA子さんにそう強く申し上げたのですが、それでも家族は忠告を聞かず、またあの家に戻ってしまったのです。

再び悪夢が始まりました。

小学生になったばかりの上のお子さんは急性白血病に。

真ん中の子は夜になると癇癪を起こすようになり、赤ちゃんは心臓に欠陥があることが分かりました。

ご主人は家の中で突然倒れ、救急搬送された結果、末期の癌であることが発覚。

やはりあの家から離れるしか方法がないと感じた私は、A子さんに連絡しましたが、

「…もういいです」

彼女はそう力なく答えるだけで、電話を切りました。

しばらくして、あの家にあったハナミズキの木でA子さんは首を吊り、自ら命を絶ちました。

お子さんたちは、彼女の両親に引き取られた後、あの家から離れたからでしょう、治療の甲斐あって元気になったようです。

そして、ご主人が亡くなった後、A子さんのご両親から連絡がありました。

ご両親は、あの家を壊して更地にすることを決めたそうです。

妙な胸騒ぎがした私は、再びあの家を訪れ、あの女性霊ともう一度コンタクトを取ってみました。

「壊しても何も変わらない」

女性霊は、そう告げるだけでした。

家の解体が始まり業者が入りました。

しかし、工事の途中でその解体業者は倒産してしまいました。
社長が突然の不慮の事故で亡くなったのだそうです。

今でも、家は半分ほどが壊されたまま、ハナミズキだけが静かに風を受けてなびいています。

私はこれからも、彼女らの命を救えなかったことを悔やみ続けることでしょう。

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