【怖い話|実話】短編「深夜の訪問者」心霊怪談(岐阜県)

【怖い話|実話】短編「深夜の訪問者」心霊怪談(岐阜県)
投稿者:おおもり さん(45歳/女性/介護職)
体験場所:岐阜県不破郡垂井町 私の家

私に霊感というものは全くないと思います。というか、そもそもその類のものを疑っています。
ただ、この時だけはそういう存在を信じてしまった、私の唯一の不思議体験です。

私が高校2年生の時のこと。
家族は、父、母、弟、それと入院中の祖父がいました。

その日はテストが近かったこともあり、私は自分の部屋で勉強をしていました。
・・・というのは建前で、本当は友達から借りた漫画を読んでいました。

夜中の0時を回った頃、廊下を歩く音が聞こえてきました。
母親だろうと思い、私は慌てて漫画を机の引き出しに片付けて、勉強している振りをしました。

母はよく私の部屋を覗きに来ます。

ガチャ

後ろでドアが開きました。ドアはちょうど私の真後ろにあるので見えません。

【怖い話|実話】短編「深夜の訪問者」心霊怪談(岐阜県)-1
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・・・・・・

・・・・・・

そのまま少し経って、変だと思いました。
いつまで待っても母親から声を掛けられません。

いつもなら「勉強頑張ってる?」「もう寝なさいよ」などと声を掛けてくるのですが。
私は後ろを振り返りました。

ドアは閉まっていました。

確かに廊下を歩く足音と、ドアを開ける音がしたのに…? 
気のせいだったのか???

私は再び漫画を読み始めました。

するとしばらく経って、今度は廊下の向こうにある台所の方からガサガサと袋を触るような音が聞こえてきました。

弟が台所で何か食べ物でもあさっているのかな?

【怖い話|実話】短編「深夜の訪問者」心霊怪談(岐阜県)-2
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さっきの事もあってちょっと怖くなっていた私は、きっとそうだと自分に言い聞かせ、確認しに行くことはせず、その後すぐに寝てしまいました。

次の日、母親と弟に昨夜のことを聞くと、母親は私の部屋に来てないし、弟も母も台所には行っていないとのこと。台所は荒らされた様子もないので泥棒でもないらしい。
おかしいと思いながらも、原因は何も分からず、その時はそれで終わりました。

入院していた祖父が亡くなったのは、その数日後でした。

祖父は私が保育園の時からほとんど入院していました。
晩年は、昼間は母が付き添い、夜は仕事終わりの父が付き添っている状態でした。

お葬式の時、私がつい先日家で体験した事を父に話すと、「それは多分おじいちゃんの魂だけが家に帰ってきてたんじゃないか?」と言いました。

確かにそうかも、と私は納得しました。
というのも、台所のすぐ隣は祖父の部屋です。
真夜中に台所から聞こえると思っていた音は、たぶん祖父の部屋からだったんだと思います。後片付けをしていたのでしょうか。

【怖い話|実話】短編「深夜の訪問者」心霊怪談(岐阜県)-3
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そうか、あの時おじいちゃん帰ってきていたのか。
私の部屋のドアを開けたのもおじいちゃんだったとしたら、勉強せずに漫画読んでいたの見られてましたわ。

私の不思議体験は、その一度きりです。

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