【怖い話|実話】短編「家にいる誰か」不思議怪談(東京都)

【怖い話|実話】短編「家にいる誰か」不思議怪談(東京都)
投稿者:38 さん(28歳/女性/アルバイト)
体験場所:東京都羽村市 自宅

中学二年生の頃、当時住んでいた一軒家での話です。

その土曜日は、友人二人と待ち合わせし、近くのデパートに遊びに行こうと約束しておりました。
しかしその朝、前日夜更かししてしまった私は寝坊してしまったんです。

待ち合わせの時刻から一時間後、待たせていた友人が訪ねて来て、そのインターフォンで私は目が覚めました。

携帯には数件の着信が入っています。あちゃ~やってしまった、と慌てて玄関を出ると、ドアの前にいた友人二人に怒っている様子はなく、むしろ驚いて少し戸惑っている様子でした。

【怖い話|実話】短編「家にいる誰か」不思議怪談(東京都)-1
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とにかく謝ろうと声を掛けようとした時、友人の一人から「電話くれたのに、出るとすぐ切っちゃうから心配したんだよ」と言われました。

もちろん寝ていた私に電話を掛けた記憶なんてございません。

「何の話??」と聞いても「え?電話…」と友人は言い、お互いキョトンとしてしまいました。

単純に私が寝ぼけて電話を掛けたのかな?と思って、その旨を伝えつつ謝って、少し家の前で待ってもらい急いで支度しました。

慌てて家を出て、玄関ドアを施錠して、急いで友人のところに駆け寄ると、

「あれ?家にお母さんいるのに、ちゃんと鍵閉めてるんだ。えらいね~」

と褒められました。

その日は私が起きるより先に家族全員が出払っていて、家には誰もいませんでした。

また友人の言うことが分からずに、家には誰もいないことを伝えると、

「え?だってさっき、38ちゃん(私)のお母さんが38ちゃんを呼ぶ声、聞こえたよ?」

と友人は言います。

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さっきから変なこと言うな~と思いながらも、母親の声は決して特徴的でもないし、それに近所は閑散とした静かな場所なので、きっと向こうの家の声が聞こえたのだろうと思い、「聞き間違いでしょ?」と私は言うのですが、友人二人は揃って「ううん、38ちゃんのお母さんの声だったよ」と言います。

そう言われても、今日家に誰も居ないことは事実なので、絶対に隣の家の声だろうなと思ったのですが、分かってもらうのは難しそうなので、困ってしまった私はあまり間を開けずに「そ、そっか~」と答えてお茶を濁しました。

その後は特に何事もなく予定通りデパートで遊んで家に帰りました。

帰宅後、朝のことが気になって、お母さんに今朝は何時に出かけたのか聞いてみると「いつも通り7時には出かけたよ」と予想通りの回答。

やっぱり隣の家から聞こえた声だろうと思いながらも、私の家は空き地や畑に囲まれており、隣りの家は少し歩いた先になります。もちろん声が聞こえる距離ではあるのですが、言葉まではっきり聞こえるものなのかな?とも思います。

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しかもはっきりと私の名前を口にしていたのも少し疑問です。よくある普通の名前ですが、近所には大人も子供も含めて同名の人はおりませんから。

後日、ふとこの出来事を思い出して、そう言えばと携帯の履歴を調べてみたのですが、やっぱり私の携帯からの発信履歴はなく、友達のくれた着信が数件あるだけでした。

あまりこういった奇妙なことには縁がなく、むしろその類のことは信じていない私なのですが、この出来事だけは未だに不思議に思っています。
友人に電話を掛けたり、家で私を呼んでいたのって、一体誰だったんだろうと…

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