体験場所:静岡県富士宮市
私には3歳の長女と1歳になったばかりの次女がいます。
その次女が慣らし保育を始めたばかりの頃の話です。
それは7月のとても暑い時期でしたが、天候が悪くジメジメとした日が続いていました。
その頃、1歳の次女は、初めての環境、初めての母子分離からのストレスで体調を崩しがちでしたが、それでも遊んでいる姿は楽しそうで、同じ保育園に通う3歳の長女も妹を気にして見てくれているようで嬉しかったです。
そんな頃、私は変な夢を見たんです。
それは、夫と二人の娘も一緒に、私たち家族はいつもの寝室で布団を敷いて眠っているのですが、私だけが起きていました。
気味が悪いのは、二人の娘の頭上に立つ不気味な女の子。
その口は耳元まで裂けていて、ギョロッとした大きな目で娘たちの顔を見下ろしニヤニヤ笑っている。
私はそれをジッと見ているのです。
ハッと目を覚ますと、私はすぐに娘たちの様子を見ましたが、普段と変わらず気持ちよさそうにスヤスヤと眠っていました。
(私が疲れてるのかな…)
なんて思いながら大きな伸びをして、いつも通り朝の支度に取り掛かります。
子供たちに朝ごはんを食べさせ、慌ただしく登園の準備をして送ろうとすると、唐突に上の娘が足を止め、廊下から寝室の中を眺めているのです。
忘れ物でもしたのかなと思って「どうしたの?忘れ物?」と声を掛けると、娘はこう答えたんです。
「今日は挨拶してなかった!」
挨拶ってなんのことだろう?と首を傾げていると、長女は急に走り出し、いつも自分が寝ている場所まで行くと、枕元の辺りの上を見上げて言ったのです。
『おばけさん!おはよ!〇〇(長女の名前)、幼稚園に行ってくるね!』
ゾゾゾっと鳥肌が立ち、私は瞬きするのも忘れて真顔で娘を見つめていました。
なぜなら今、娘が話しかけた場所って、夢で見た女の子が立っていた場所だから。
ハッと我に返ると、とりあえず娘2人を抱えて外に出て、そのまま保育園へ向かいました。
園に向かう途中、とにかく自分を落ち着けて、さっきまでバクバク鳴っていた心臓の音もようやく落ち着いてきた頃、私は娘に聞きました。
「寝てるところに、誰かいたのかな?」
冷静に、自然に聞けたはずです。
すると娘が元気に答えてくれたのです。
「女の子がいるよ!ニコニコ笑っててお口が大きいの!」
誰かにギュッと心臓を握られた気がしました。
夢で見た女の子と余りに合致しすぎていて、私は鳥肌が止まりませんでした。
その日は一人で家にいることなど出来ず、娘たちが帰るまでは外の用事を済ませ、家ではトイレもお風呂もビクビクしながら入る羽目になりました。
それからでした。
家で時々おかしな事が起こるようになったのは。
寝室で娘たちを昼寝させた後、私は我慢していたトイレに行くと、寝室から子供の足音や話し声が聞こえてきたので(もう起きたのか)と思って寝室に戻ると、娘たちは二人ともグッスリ寝ていた、とか。
カーテンを閉めようとした時、脇腹あたりに上の娘の頭が見えたので「どうしたの?」と声を掛けて下を向くと、誰もいない、とか。ちなみにこれは、遊び部屋以外ならどの部屋のカーテンでも起こりました。
そんなことが頻繁に起き、さすがにいちいち怖がっていては生活できないので、(これは座敷童だ!幸せの守り神だ!)と思い込むようにしておりましたが、不思議なことに、お盆の時期が過ぎる頃にはこれらの現象もピタッと止まったのです。
実は、私たち夫婦には3歳の長女の前に、1人流産をしてしまった経験があります。
「もしかしたら、あの子が私たちに会いに来てくれたのでは?」
「少しでも長く一緒にいられるように、お盆前から来てくれたのでは?」
と、夫と二人で話しています。
とても不思議な体験でしたが、家族に怪我や病気などもなく、今となっては良い思い出です。
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