体験場所:千葉県南房総市富浦町の自宅
私は千葉県南房総市富浦町に住んでいます。
あれは2019年の秋、千葉県房総半島を大型台風が襲った時の事です。
台風が襲来した当時、屋根は剥がされ、ガラスは割れ、停電が何日も続いていました。
もちろん携帯電話もつながりません。
食べ物もなく、遠くのコンビニまで買い出しに行くような日々が続き、心身ともに疲れ切ったある日の夜から、私は三日間に渡って信じられないような不思議な体験をしました。
最初に感じたのは音でした。
その夜は何も音楽を聴いていなかったのに、私の頭の中ではずっと同じ曲が流れ続けていたのです。
竹ノ内豊主演の「太平洋の奇跡」という映画で、日本軍が米軍に投降する場面で兵士が歌っている曲でした。
確かにその映画のその場面が好きで、以前はYouTubeで何度も見ていたので、それが頭に残っているのだとその時は思ったのです。
次の日の夜でした。
私の身の回りで立て続けに不思議なことが起こったのです。
その出来事を以下に箇条書きで列挙します。
①ベッドの周りを小動物が走り周る振動が伝わってくる。
すごい勢いで走り回る振動を感じ、確認すると何もいないし振動も収まります。少し経つとまた走りだします。
②ベランダの外側から顔だけを覗かせて、ひたすら私に同じことを話しかけてくるおじさんが現れる。
顔だけを覗かせて「おーい、おーい、今年の映画は何がはやるのかな?」と、おじさんはこれだけしか言いません。当時停電の為、窓は全開でした。怖くなって窓を閉めても何か言っているのは聞こえました。
③ベッドの下からものすごい勢いで叩き上げられ、思わず叫んでしまいました。
私の叫び声を聴いた両親が「うるさい!」と怒鳴りに来たのですが、翌日確認すると来ていないとの事。
④ベランダの外を見ると空襲が始まっていて、少女が3人ほど目の前で逃げていました。
南の空から飛行機が何機もやって来て、爆撃している様子が確認できました。
⑤星の1つが話しかけてくる。
小さい女の子のような声で私に話しかけてきました。「あぶない!」とか「急いで!」「気を付けて!」という意味深な言葉を投げ掛けてきたのを覚えていまます。
⑥ふと窓から隣の家の方に目をやると、神輿を担いだ着物姿の集団が私の家の玄関に向かって来ていました。
さすがにパニックで、この時の事はあまりよく覚えていないのですが、気付いたら消えていました。
⑦空から親王のような人が現れて、「お前を生類憐みの令に処す」と意味の分からない事を言い放ち消えていきました。
後にこれが別の体験に繋がります。そのとき現われたのは徳川綱吉なのかと思います。
以上7つの体験が一晩で起こった内容です。
その翌朝のこと、私は更に不可解な体験をすることになります。
その時のことは私の記憶も曖昧なので、ここからは、その時の様子を目の当たりにしていた母と叔母の証言を合わせて書きます。
母が朝ごはんを私の部屋まで運んできてくれた時、私はブツブツと独り言を呟きながら部屋を片付けていたそうなのです。
当初母は、朝から部屋の掃除をしている私に感心したそうなのですが、テーブルにご飯を並べているうちに直ぐに私の異変に気付き、近くに住む叔母を呼んだそうなのです。
何故なら私はそこに転がっているゴミや物に対して一つ一つに声を掛け、「捨ててもいいか?」と確認していたそうなのです。
その時の事を私自身も薄っすらと覚えているのですが、人の心の声も聞こえていたように記憶しています。
そしてこれが『生類憐みの令の罰』なのだと私は認識していたような気がします。
その行動を見た母と叔母は、私の頭がおかしくなってしまったのだと思い、隣町の館山市にある精神科の病院に私を連れて行ったのです。
診断するまでもなく即入院となり、約一か月の間、私は病院のお世話になりました。
ただ、入院した翌日には私は普通に戻っていました。
何も起こらず、何も聞こえず、いつも通りの感覚です。
退院後、今では仕事に復帰して3年ほど経ちますが、あの夜以来、特に不思議な事は何も起こきていません。
一体あの時の体験は何だったのでしょう?
大型台風の影響で精神的に病んでしまった私が見た、ただの夢や幻だったのか?
本当に不可思議で、家族を巻き込む大変な出来事になったことは事実です。
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