PR

【怖い話|実話】短編「空き地の石板」不思議怪談(愛知県)

【怖い話|実話】短編「空き地の石板」不思議怪談(愛知県)
投稿者:ここなつ さん(30代/女性/会社員)
体験場所:愛知県O市 住宅街の空き地

これは数年前、当時付き合っていた男性の仕事の関係で、愛知県O市にある古い住宅街に足を運んだ時の話です。

彼は地元の小さな建設会社で現場管理の仕事をしており、私はその日、彼の仕事が終わるのを待って、一緒に夕食をとる約束をしていました。

予定より少し早く着きそうだと彼に伝えると、「それなら今の現場近くにある空き地で待っていて欲しい」と言われ、指定された場所へ向かいました。

その空き地は、もともと家が建っていたようなのですが、きれいな更地になっいました。ただなぜか、中央より少し奥まった場所に、縦1メートル、横1.5メートルほどの大きな平たい石の板が、地面に埋まるようにして顔を覗かせていました。表面には、何か文字や模様が彫られた跡のような窪みがありましたが、長年の風雨に晒されたせいか、何が書かれているのかは判別できませんでした。
きっと昔の家の庭石か何かが残っているのだろう。どうせ更地にするのならこれも撤去すればいいのに、と、そんな風に感じたことを覚えています。

彼が来るまでの間、私はスマートフォンを見ながら時間を潰していました。

異変が起きたのは、待ち始めてから10分ほど経った頃です。
突然、それまで聞こえていた周囲の環境音や虫の声が、まるで耳栓をされたかのようにふっと遠くなりました。それと同時に、足元から妙な振動のような、低い地鳴りに似た感覚が伝わってきたのです。地震かと思い周囲を見渡しましたが、近くの電柱や民家に揺れている様子はありません。

なんだろうと思い、ふと石板の方に目を向けると、なぜか石板の周囲だけ、地面が濡れたように黒く変色していました。雨が降ったわけでもないのに、石板の輪郭に沿ってじわじわと水が地面から染み出しているように見えました。驚いて凝視していると、石板の表面のくぼみから、小さな泡がぷつぷつと湧き出しているのも分かりました。

「何だこれ!?」と、思わず声が出ました。

気味が悪くなって、その場から離れようと一歩下がった時、背後から「おい、何してるんだ」と声をかけられました。仕事の手を休めて様子を見にきてくれた彼でした。その彼が空き地に足を踏み入れた瞬間、耳を塞ぐ感覚が急に消え、周囲の音が元通り聞こえるようになりました。
私は慌てて足元を指さし、「あの石の周り、水が染み出して泡が出てる」と言うと、彼は怪訝な顔をして石板に近づきました。

彼と一緒に石板を見ると、濡れた地面も、湧き出していた泡も、全て消え失せていました。

後日、彼があの空き地や石板について、土地の所有者や近隣の住民から話を聞いてきてくれました。それによると、あの空き地は、実はこれまでに何度も買い手が見つかり、家を建てる計画が持ち上がるのですが、その度になぜか着工直前に話が白紙に戻ってしまうそうなのです。

さらに不可解なのは、やはりあの石板でした。
土地を更地にする際、邪魔だから重機で撤去しようとしたそうなのですが、いくら周囲の土を掘り下げても、石板の底がどこまで続いているのか分からないそうなのです。クレーンで吊り上げようとしてもビクともしないらしく、そのうち作業員の中に体調を崩す人が続出したため、結局、あの石板だけをそのまま残して更地にするしかなかったとのことでした。

一体あの石板はなんなのしょうか?
もしかしたら、庭石などではなく、あの土地の底に眠る何かを押さえつける、栓のような役割を果たしているのでは?と、そんな想像をしてしまいます。

本当のところは分かりませんが、私にとって初めての不思議体験でした。


恐虫リリー
恐虫リリー

他にも「愛知県の怖い話」複数ございます。
愛知県で体験した怖い話(実話)

コメント

タイトルとURLをコピーしました