【怖い話|実話】短編「思い出のテレポーテーション」不思議怪談(島根県)

【怖い話|実話】短編「思い出のテレポーテーション」不思議怪談(島根県)
投稿者:すーこ さん(22歳/女性/保育士)
体験場所:島根県松江市 趣味のお散歩中にいろんなところで

私は少し変わった家庭環境で育ちました。

幼い頃に両親が離婚し(ここまではよくある話ですが)、私は祖父母の家に引き取られました。
両親のどちらかではなく、祖父母の家です。

それに至るまでには紆余曲折、両親にも様々な理由があったのでしょう。今となってはどうでもいい話です。

そのような環境もあってか、私は人一倍さみしがり屋で、家に一人でいる時間は特に苦痛に感じたものでした。

当時の我が家の状況はと言うと、祖父が人工透析のため遠くの病院へ通っていて、週3日はほとんど家におらず、しかも祖母は祖父と私の面倒を見るために必死でスーパーの試食販売員として働いていたため、私は学校から帰ると一人でいることが本当に多かったです。

ただ、そんな寂しい時間を過ごしていた頃にも、私にも唯一気が許せる身内がいました。

叔父のSさんです。

【怖い話|実話】短編「思い出のテレポーテーション」不思議怪談(島根県)-1
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※ちなみに最近知ったのですが、親の兄にあたる人が「伯父」で弟が「叔父」なんですね。知らなかったです。

叔父は祖父の病院の送り迎えのため、仕事の合間を縫って週3回ほど私の家に来てくれていました。

叔父が来てくれた日は、祖父の送り迎えの他に、祖母のスーパーの仕事が終わる19時頃にも車を出してくれて、一緒に迎えに行っていました。

そんな時はだいたい祖母の仕事が終わるまでの間、スーパーに車を停めて、叔父と一緒によくスーパーの周りをお散歩していました。

祖母は試食販売員の仕事で(個人事業主?って言うのでしょうか)、地元にある数店舗のスーパーを回っていたので、迎えに行く先もその都度違っていて、なのでお散歩も毎回違う道を叔父と一緒に歩くことが出来て、それはいつもの寂しい気持ちが吹き飛ぶくらい楽しい時間でした。

ただ、そんな楽しい散歩の時に限って、大人になった今も仕組みが分からない不思議な体験をよくしたんです。

私たちの散歩は基本的に、車を停めたスーパーから真っ直ぐ一方向に進み、祖母の仕事が終わる時間にぎりぎり戻れそうなくらいの場所にあるコンビニに寄って、飲み物を買い、また来た道を真っ直ぐスーパーに向かって戻る、という往復コースがお決まりのパターンでした。

そのため、往路で進んだ時間が長ければ長いほど、飲み物を買った後に歩く復路の時間も同じように長くなる。誰が考えても当然のことです。

それなのに、進んだ距離よりも明らかに戻る距離の方が圧倒的に短いってことが、高確率で起きたんです。

もちろん一度きりの経験ではありません。だいたい3回の散歩につき1回くらいの割合でそれは起こります。

ひどい時には連続して3回も4回も「え?もうスーパー見えてるよ・・・」ってなることもありました。

【怖い話|実話】短編「思い出のテレポーテーション」不思議怪談(島根県)-2
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もう少し詳しく書くと、

叔父「おばあちゃんのお仕事終わるまでお散歩しようか」
私 「うん!」

―おしゃべりしながらまっすぐ20分ほど歩く―

叔父「だいぶ遠くまで来たし、時間も時間だからあそこのコンビニでジュース買って帰ろうか」
私 「うん!」

―コンビニを出て、戻る方向を見る―

2人「あれ、スーパーがすぐそこz...」

みたいな状況なんです。

いやいや、真っ直ぐじゃなくて何だかんだ近くをグルグルしていただけでは?と思うかもしれませんが、本当にスーパーから真っ直ぐ、だいぶ遠くまで歩いただけなんです。

前述したように、私は家庭環境などから極度の寂しがり屋だったので、もしかしたらそれが何か影響しているのでしょうか?

それとも楽しい時間はすぐに過ぎるっていうあの現象かとも思いましたが、物理的に帰り道が短縮されるのはちょっと違う気もしますし。

科学的根拠とかが何かないか自分なりに調べてもみましたが、本当に謎のままなんです。

この話をして信じてくれた人は今までほとんどいませんし、私と叔父の間では「私たちテレポーテーションしがちだよね~」ってことで今でも笑い話で済ませてはいますが・・・

これを書いていて、また久しぶりにあの辺りのスーパーの周りを歩いてみようかなって考えています。

もしまたテレポーテーションしたら、その時はまたここに書いてみようと思います。

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