【心霊スポット】神奈川県|名越隧道の怖い話「自転車事故」実話怪談・短編

【心霊スポット】神奈川県|名越隧道の怖い話「自転車事故」実話怪談・短編
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投稿者:くらげ さん(20代/男性/学生)
心霊スポット:神奈川県鎌倉市『名越隧道』

これは私が中学生の頃に体験した不思議な出来事に関するお話です。

高校受験を控えていた中学三年生の11月、当時、私は週に3日、片道30分ほどかけて、自転車で隣町にある学習塾に通っていました。

塾が終わるのがだいたい21時過ぎで、そこから友達と近くのコンビニや公園に立ち寄り、家には22時半ごろに帰るというのがいつもの習慣でした。

しかし、その日は友達との会話が弾んでしまい、家路に就くのがいつもより30分ほど遅れてしまいました。

家路を急いで自転車を漕いでいると、もうすぐ冬本番だというのに、妙に生ぬるい風が吹いていたのが印象的な夜でした。

自転車を漕ぎ始めて約15分くらいすると、いつものように鎌倉市と逗子市の境界にある『名越隧道』というトンネルに差し掛かりました。

以前からこのトンネルはネット上で心霊スポットだと噂されていました。
確かに近隣にはお墓や火葬場があったりと、それっぽい要素もあるのですが、トンネル内部は十分に明るく、また夜遅くても交通量が多かったので、普段からそのトンネル使っている私からしたら、不気味に感じることも、ましてや怖い体験などしたこともありませんでした。

ただ、その日は違いました。
トンネルに入り数十メートルほど進んだところで、突如私の身に異変が起こりました。

体が熱いのです。

季節はもう冬に差し掛かかる時期なのに、まるで真夏の日差しに照らされているかのように、体の外側からジリジリと熱せられるような感覚を覚えました。

わけが分からないまま冷や汗が流れ、そのまま自転車を漕いでいる内、私はプツリと電源が切れたかのように意識を失いました。

次に目が覚めた時、私は通りかかった車の運転手に体を揺さぶられていました。

「ねえ君!君!大丈夫か!」」

運転手の声を聞きながら、混乱する頭に徐々に意識が戻ってきた私は、運転手の方に礼を言った後、まず最初に自分の体を確認しました。

頭、首、胸、両手、両足と順番に触り、出血がないか、痛む場所がないかを確かめましたが、どこにも問題は見当たりません。自転車をこいでいる最中に意識を失ったというのに、私の体には擦り傷一つ見つかりませんでした。

次に携帯電話を取り出し時間を確認すると、私は目を疑いました。
時間はすでに深夜の0時を回っていました。ということは、少なくとも私はこの場所で2時間近く意識を失っていたことになります。

深夜でも車の行き来が絶えないこのトンネルで、2時間もの間、倒れている人間に誰も気付かないなんてことはまず有り得ません。

それに奇妙な点は他にもありました。

トンネルの壁に私の自転車が立て掛けられていたのです。
意識を失う直前まで私は自転車を漕いでいたはずです。それなら自転車も一緒にその辺りに倒れているはずです。

更におかしいのは、着ていたはずの私のウィンドブレーカーが、自転車に掛けられていたのです。
しかも近付いてみると、まるではさみで切ったかのように、ウィンドブレーカーの背中部分や袖が裁断されており、しかも、雨も降っていないのにその表面は濡れていました。

全身に鳥肌が立ちました。
言い知れぬ狂気に触れてしまったような気がして、私はその場にペタリと座り込んだまま、パトカーと救急車の到着を待ちました。

知らせを聞いて駆け付けた両親と共に、私は救急車で病院に搬送されました。

検査の結果、身体に異常はないと確認されました。

結局、この件は私の不注意による単独事故として処理されました。

でも、今でも思うのですが、果たしてあれは本当に私の不注意による事故なのでしょうか。
2時間もの間、誰にも気付かれないまま、本当に私の身体はあの場所に横たわっていたのでしょうか。

それに何故、ウインドブレーカーは切られ、そして濡れていたのか。

その後、現場には情報提供を呼び掛ける看板が設置されたものの、これといった情報が寄せられることはありませんでした。

私は思うのです。
もしかしたらあの体験は、俗にいう『神隠し』だったのではないかと…

意識を失ってからの2時間、私の体と自転車は別な場所に移動していたのではないだろうかと…

突飛な発想かもしれませんが、そのまま起こったことを受け止めたとしても、あの日の体験自体が余りに不自然すぎるので…

そういえば、事故から一週間ほど経ってから気が付いたのですが、リュックに着けていた厄除けのお守りが無くなっていました。

もし、あのお守りがなければ、今でも私は別の場所を彷徨っていたのかもしれません。

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