【心霊スポット】沖縄県|喜屋武岬の怖い話「何度落ちても一人ぼっち。」実話怪談・短編

投稿者:すず 20代/女性/建設業/沖縄県在住
心霊スポット:沖縄県糸満市 喜屋武岬

私が住んでいる八重瀬町の隣の糸満市には、沖縄本島南西端に位置する岬「喜屋武岬(きやんみさき)」があります。

綺麗な沖縄の海を一望でき、夜景スポットや観光スポットとしても人気の岬です。

ですが、その美しい景色とはうらはらに、沖縄戦跡国定公園に指定されるこの岬では、戦時中、追い詰められ絶望した人々が、次々と自ら身を投げたという悲しい歴史も残っています。

因みに、喜屋武岬では今も自ら身投げする自殺者が絶えないと言われていて、心霊スポットとしても割と有名な場所です。

不謹慎ながら、そんな場所に友人のAと一緒に肝試しに行った時の話です。

喜屋武岬の景色
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沖縄には6月23日に慰霊の日があります。
戦没者の霊を慰めるため、また同じ過ちを繰り返さないためにと、沖縄県が制定した記念日です。

噂だと、その日に喜屋武岬に行くと、戦争で亡くなった人たちの霊が見えると言われています。

そんなこともあってか、ユタ(沖縄の霊媒師)である私のおじいちゃんに、慰霊の日の外出は禁止されていて、ましてや喜屋武岬へ行くことなどは絶対に許されません。
なので、その翌日6月24日の夜に、私はAと一緒に喜屋武岬に行ってみることにしたんです。

岬の近くまでAの車で行き、そこからは歩いて行きます。
実際に行ってみると近くの民家は早くに寝静まるのか、灯りは消えており、道や岬にも街灯は一切なく、月明りだけが頼りの状態でした。

「やっぱり雰囲気あるね~」
などと2人で話しながら岬に到着すると、しばらく夜の海を眺めていました。
真っ暗な海は黒い穴にしか見えず、強風に立つ波音だけが響いていました。

そんな時です。
「あそこに人がいるよ!」
少し離れた崖を指差しAが言いました。

私がそちらに目を向けたその瞬間、人らしきものが海に落ちていきました。

海に落ちる人間
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(えっ)
突然の出来事に私たちは声も出ず、数秒ほど固まってしまいました。

ハッと我に返りすぐにその場所へ駆けつけましたが、崖下は真っ暗で人を確認することができません。

「自殺者…」
すぐにそう思いましたが、夜だったため見間違いかもしれず、警察を呼ぶのも怖いし、何よりおじいちゃんにバレて怒られるのが嫌で、通報することを躊躇ってしまいました。

かと言って見て見ぬ振りも出来なかったので、とりあえずAの母親に連絡したんです。
すると、

「もし本当に自殺者だったとしても絶対に助かることはない。」
「今そっちに行くから待ってなさい。」
そう言われ、私たちはおとなしく車の中で待っていました。

妙な緊張感のせいか15分程して、私は少しウトウトしていました。
すると、

「また人がいる!!」
Aが叫びました。
私はその声に驚いて飛び起き、前方に目を向けました。

さっき、人が落ちた崖の上に、また人がいたんです…

しかもその人、私たちの方を見て笑ってるんです。
外は真っ暗闇です。崖の上の人の表情など見えるはずもないのに、なぜかそれが分かるんです。

なぜか見える笑い顔
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鳥肌が立ちました。

(あの人は人間じゃない。この世のものじゃない。)
そう思ったとき、Aが思いもよらないことを言ったのです。

「今度こそ助けてあげよう」
そう言って車から飛び出そうとするAを、
「あれは人間じゃない!絶対に行っちゃだめ!」
私はそう言って引き留めようとしたのですが、Aは聞く耳を持たず駆け出しました。
もう私はどうしていいか分からず、ただその様子を見ていました。

十数秒後、Aのシルエットがその人を掴んでいました。
そして二つのシルエットが暫し止まっていたかと思うと、

「いやーーーー」
Aの悲鳴が上がりました。

もはや躊躇っている場合じゃありません。
私はすぐにAのもとへ駆け出しました。

いつの間にかあの人影はいなくなっています。
また飛び降りたのかもしれません。

「何があったの!?」
うずくまって震えているAに声を掛けると、

「あ、あの人、に、にたにたしながら、私に言ったの。
何度落ちても一人ぼっち。寂しいよ。一緒に行こう。・・・って」

私はすぐにAを連れ車に戻りました。
フロントガラスの先、崖の上にまたあの人影が立っているのが視界の端に見えました。

再び崖の上に立つ人影
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直ぐにエンジンをかけ、近くのコンビニまで車を走らせました。
コンビニの駐車場に車を止め、私たちはようやく多少は落ち着きを取り戻しました。

A「あれ・・・なんだったの・・・?」
私「車を出すときも、崖の上にいたよ・・・」
A「・・・」

私たちにはもうそれ以上のやりとりをする気力もなければ、当然もうあそこに戻る気もありません。
なのでとりあえず、Aの母親に再び連絡をしました。

「あの岬…なんかヤバいよ・・・今近くのコンビニにまで逃げて来たから、やっぱりこっちに来て欲しい。」

するとAの親は、
「やっぱりこっちって・・・何のこと?そもそもあんた達、今どこに行ってるの?」

不思議に思う母
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私たちはパニックになりました。
Aの母親が言うには、この電話が今日始めてAからもらった連絡だと言うのです。
そんな訳ありません。さっき確かにAは母親に電話をしていたし、私もハッキリとそのやり取りを聞いていました。

あまりの恐怖に2人で大泣きしながらコンビニでAの両親を待ちました。
10分もしないうちに迎えに来てくれて凄く安心しました。

もう二度と喜屋武岬には行かない。
ユタのおじいちゃんに叱られるようなことはもうしない。
この経験で私はそう心に誓いました。

因みにAは、その日乗っていた車で、1か月のうちに5回も事故に遭いました。

Aには大きな怪我はなったのですが、その車は廃車にすることになりました。
それが喜屋武岬での体験と関係するのかは分かりませんが・・・

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