【怖い話|実話】短編「母子の霊」心霊怪談(青森県)

【怖い話】心霊実話|短編「母子の霊」青森県の恐怖怪談
投稿者:たまたま さん(30代/男性/会社員)
体験場所:青森県A市の某ビジネスホテル

出張で青森県A市を訪れた時の話です。

事前にビジネスホテルを予約していました。全国展開しているビジネスホテルの中でも上位クラスのホテルだと思います。綺麗で広めの部屋が気に入って出張先でよく利用していました。

宿泊した部屋は7階だったと思います。

その日は早めに仕事を終えてチェックインし、部屋で事務処理を終えた後、一緒に出張していた先輩と飲みに出ました。時刻は19時頃だったと思います。

ホテルの1階で待ち合わせて近隣の居酒屋へ向かいました。
先輩の愚痴話が長くなり、ホテルに帰ったのは大分遅い時刻でした。

自室に戻ると部屋の中の様子が変わっていました。
椅子の上に置いていたバッグが床に落ちていたり、さっきまで使っていたパソコンの向きが変わっているなど。酔っていたこともあり、余り気にはしませんでしたが、何か引っかかるものがありました。

明日も早いしシャワーを浴びて早く寝ようと浴室へ向かいました。

シャワーを浴びていると、自分の右手に何かが絡み付いてくる感覚がありました。
目には見えないのですが、小さな子供の手でさすられているような感触です。

気持ち悪いのでシャワーを止めて見えないそれを手で払いのけました。
それでも右手の前腕部分を撫で回される感触が消えません。
さすがに気味が悪くなりました。

こうなると、部屋の中のものの配置が変わっていたことも気になり始め、早々にシャワーを切り上げ、直ぐにフロントに連絡し部屋を変えて欲しいと願い出ました。

特に事情を聞かれることもなく、部屋を変えてもらえました。
新しい部屋では直ぐに眠ることが出来ました。

その深夜のことです。
何時頃かは分かりませんが、部屋の加湿器がガタガタと鳴る音で目が覚めました。

薄っすらと目を開けて加湿器の方を見ると、運転状況を示す赤と緑のランプが交互に点滅してぼんやりと光っているのですが、その光に照らされて、誰かが立っているのが見えました。

体を起こしてよく見ると、加湿器の横で女性と子供が手をつないで壁側を向いて立っていました。おそらく母子なのだろうと思いました。

服装は今風の感じで、古い感じはしません。
少しするとスッと壁の方に消えていきました。
同時に加湿器のガタガタもおさまり静かになりました。

それを見届けた後、私は再びごく自然に眠りに就き朝を迎えました。
その後は何事もなく残りの出張期間を終えました。

チェックアウトの際フロントで聞いてみたのですが、特にホテル内で幽霊話は聞いてないとのことでした。
自分でも調べてみたのですが、特にその場所で何かが起きたという事実はなく、幽霊話に繋がる因縁は見つかりませんでした。

出張を終えて、東京に戻ってから約1週間後のことです。
仕事で重い荷物を運んでいる時、右前腕を怪我してしまい青いアザが出来ました。

出張中のシャワーでの出来事を思い出しました。
小さな子供のような手でさすられていた場所、それが怪我をした右腕の前腕部でした。

あの夜見た親子の幽霊は、こうなることを伝えたかったのか。
それとも触られたから怪我をしたのか。
もしかするとなんの因果関係もないのかもしれませんが、何かが繋がったような気がしました。

一般的には幽霊を見ると恐怖を感じるものと思いますが、その母子の幽霊を見た時、私には一切そのような感情はなかったと思います。

あの母子の幽霊は一体なんだったのか、それ以降、見ることがないので分かりません。

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