【怖い話】心霊実話|短編「添い寝する同僚」海外(韓国)の恐怖怪談

投稿者:なお さん(30代/女性/会社員/東京都在住)
体験場所:海外(韓国)釜山の某ホテル
海外・韓国:添い寝する同僚

これは10年ほど前、母が韓国旅行へ行った時に体験した話です。

当時、母は知人の営む居酒屋を手伝っていました。

その店では年に一度、社員旅行が催され、母も含めて従業員はみんな、毎年それを楽しみにしていたそうです。

当時、オーナーの奥様が韓流好きだったこともあり、旅行先には韓国が選ばれることが多かったそうで、その年の社員旅行も韓国に決まったそうです。

母は、韓国旅行で特に楽しみにしていたのは買い物だったようで、よく私にも韓国コスメなどをお土産に買ってきてくれていました。

その年も、旅行初日から韓国での買い物を存分に楽しみ、美味しい韓国料理に舌づつみを打ち、母たちは釜山にある宿泊先のホテルに戻ってきました。

韓国へはもう何度か来ていますが、そのホテルに泊まるのは初めてだったそうです。

部屋に入ると、入り口からすぐのところにトイレがあり、奥にベッドが二つ置かれたオーソドックスな作りでした。

部屋割りは、仲の良かった同僚のAさんと一緒だったそうですが、その日はよく歩き回り、明日もあちこち観光に行く予定となっていたため、母は入り口側のベッドで、Aさんは奥のベッドで、二人とも早めに眠りに就いたそうです。

その深夜のことです。

母は割りと眠りの深い人で、一度寝るとなかなか目を覚ましません。
しかし、その晩はなぜか、夜中にふと目が覚めてしまったんです。

ベッドサイドの時計を見ると午前3時を回ったところ。

ふと部屋の入り口の方に目を向けると、トイレから灯りが漏れているのが分かります。

隣のベッドに眠るAさんがトイレに起きたようでした。

眠りを妨げられ少しイラついた母は、気を取り直してもう一度眠ろうと、トイレの方に背を向けるように寝返りを打ち、Aさんのベッドの方を向いて目を閉じました。

ぼんやりと眠気がやってきた頃、トイレの方から人の気配と微かな足音が聞こえてきました。

Aさんが戻って来たのだなと思っていると、その足音は母のベッドの足元で止まりました。

すると布擦れの音とともに、Aさんが足元から母の背中側に向かうように布団に潜り込んできたんです。

(いやだ、まさか一人で寝るのが怖くなったの?)

Aさんはとても怖がりで、お化け屋敷やホラー映画の類が大の苦手な人でした。

母は少し可笑しく思って、Aさんに声を掛けようとしたその時です。

「う~…ん…」

向かいのベッドから寝苦しそうにする女性の声が聞こえたのです。

その声にハッと目を開けた母は、カーテンから漏れる街灯りだけが頼りの暗い部屋で、向かいのベッドに目を凝らしました。

すると…

ベッドには、苦しそうに寝息を立てるAさんの姿がありました。

それに気付いた瞬間、背後に強烈な悪寒が走りました。

(じゃあ…今…背中にいるのは、誰?私の背中にしがみついてる…これは…誰なの…?)

急に恐ろしくなった母は、身動きするのも怖くて、ぎゅっと目を閉じたまま、

(ごめんなさい。私は何もしてあげられません。ごめんなさい。ごめんなさい・・・)

と、心の中で何度も何度も繰り返しました。

そうしているうちに、母はいつの間にか眠ってしまったそうです。

次に気が付いた時には、窓から朝日が差し込んでいました。

(昨夜のあれは何だったのだろう…夢だったのだろうか…)

ベッドの上で上半身を起こして、ボーっとそんなことを考えていると、

「大丈夫?なんだか顔色が悪いよ。」

と、Aさんが心配そうに声を掛けてきました。

「怖い、夢を見た…」

母はそう言って、怖がりなAさんが怯えないように、簡潔に昨晩のことを話しました。

すると、Aさんの顔がみるみる青くなっていくのが分かります。

「どうしたの?」

心配になって母が声を掛けると、Aさんは恐る恐る口を開きました。

「昨日の夜ね、私も寝苦しくて深夜に目が覚めたの。その時、あなたのベッドの足元に、赤い服を着た女の人が立っていてね…じっとあなたのことを見つめていて…、私、怖くて声も出せなくて…」

思いもよらないAさんの話に母はゾッとしました。

「私が気付いたことを、その人に悟られたくなくて、私、そのまま眠ることに必死で……今朝起きて、あれは夢だとばかり思っていたんだけど…本当に、ごめんなさいね。」

Aさんはそう言って、申し訳なさそうに母に謝りました。

因みにAさんが赤い服の女を見た時間は分かりません。余りの恐怖で時間を確認する余裕はなかったそうです。

(もしかしたら、過去にこの部屋で何かあったのだろうか…)

二人はそう考えて、そのまま直ぐにフロントまで行き、昨晩の出来事をホテルの人に説明すると、

「そうですか…」

と、それ以上は何も聞かずに、その場で部屋を変更してくれたそうです。

「やっぱり思い当たる節や、過去にそういった申し出があったのかもしれない…」

母もAさんもそう思いながらも、それ以上の詮索はしなかったそうです。

今もそのホテルは釜山にあるそうです。

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