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【怖い話|実話】短編「ママはどこ?」心霊怪談(千葉県)

【怖い話|実話】短編「ママはどこ?」心霊怪談(千葉県)
投稿者:Tapi さん(30代/女性/主婦)
体験場所:千葉県F市

これは私が20歳の頃に体験した話です。

その頃バイトを3つ掛け持ちしていました。1つ目は駅前のスーパー、2つ目はネットカフェの受付、そして3つ目は某カラオケ店の店員でした。

その日もいつものようにスーパーとネットカフェの仕事を終え、深夜のカラオケ店のバイトへ向かいました。
平日だったためか、その日はいつもよりお客様が少なく、私は裏でバイト仲間とたわいない話をしていました。

すると、夜中の3時頃でした。
店の入り口のチャイムが鳴り、私はいつものように受付へ向かいました。
ですが、受付にはお客様の姿がありません。

あ、またか。と思いました。

そのお店は飲み屋街にあったため、よく酔っ払った人が勝手に入ってトイレだけ使って出て行くなんてことが日常茶飯事でした。「また酔っ払いだよ!」なんて言って、私は同僚の元に戻って一緒に笑っていました。

ただ、しばらくして気が付きました。いくら経ってもさっきの酔っぱらいが出て行くチャイム音が聞こえてきません。当然ですが入店時と同じく出ていく時にもチャイムが鳴るはずです。

おかしいなと思い、その時は他にお客様もいなかったので、トイレの確認に向かったのですが、男子トイレにも女子トイレにも人の気配がありません。

変だな~?と話していると、同僚の一人がここぞとばかりにみんなを怖がらせようとしたのか、こんな話を始めました。

それは数年前、今のカラオケ店がそこに入る前のこと、以前もここには古いカラオケ店が入っていたそうなのです。

そのカラオケ店で、夜中に従業員2人がキッチンの掃除をしていると、1本の内線電話が入りました。出ると、お客様からのフードの注文でした。早速注文の品を作り始めると、受付の鈴が鳴るのが聞こえました。急に慌ただしくなったなと思って受付に向かうと、そこには一人の幼い男の子が立っていました。深夜にも関わらず、子どもが一人で。

どうしたの?お母さんは?と聞いてみると、男の子は急に走ってお店を出ていってしまいました。とっさに追いかけようとすると、受付の下になにか落ちているのが目に入りました。

それは小さく折りたたまれた紙でした。
紙を拾い上げ、開いてみると、中にはこう書かれていました。

「ママはどこ?」

どういうことだろう?と思い、キッチンに戻ってもう一人の同僚にも見せ、二人で頭を抱えました。すると、チーンと、また受付の鈴が鳴りました。

なんだか気味が悪くなり、今度は二人で受付を見に行くと、そこには誰の姿もなかったそうです。

そんななんとも不思議な出来事が、その夜は閉店まで続いたのだそう、という話でした。

「それって、お母さんが夜中に出歩いてて、ひとり家に取り残された子どもが、お母さんを探してるうちにここにたどり着いただけじゃない?」

そう言って私たちは笑っていましたが、そういえばと思い出し、あたふたと私たちもキッチンの掃除に取り掛かかると、

「ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン」

と、お店のチャイムが鳴りました。

え?このタイミングで?っと、先ほどの同僚の話が頭をよぎりました。
とはいえ出ない訳にもいかないので、私は受付へと向かいました。

カウンターに到着した時、さすがに嘘だと思いました。
誰もいないんです。
受付カウンターはいつもと変わらず閑散としています。それなのに、一つだけ違ったんです。

カウンターの上には一枚の紙、それが折りたたまれて置いてあったんです。

いやいやいや、そんなまさかと、誰か同僚のいたずらだろうと思いながら、私は恐る恐る折りたたまれた紙を開きました。

中には子供の字で、

「ママを見つけてくれてありがとう」

そう書かれていたんです。

え?聞いてた話と違う。
怖いというよりも先にそっちが気になった私は、急いで同僚のところまで走り紙を見せた、その時でした。

急にお店の火災報知器が鳴りだしたんです。

え?何?え?とアタフタする私たち。
火の手などどこにも上がっていません。

とりあえず火災報知器を止め、異常がないか手分けして店内を見て回ることにしました。

まずはキッチンを確認。やはり火の手など見当たりません。

次に各カラオケ部屋です。
ざっと遠目に全体の部屋を見渡した時、一つの部屋が目に止まりました。
通常、お客様がいない部屋はドアをあけておくのがルールです。今は誰もお客様がいませんから、全ての部屋のドアは開かれているはず。それなのに、一つだけドアが閉まっている部屋があったんです。

急いでその部屋を目指し、ノブを回して一気にドアを開けた瞬間、私は思わず鼻を覆いました。

何この臭い…

異常に焦げ臭いんです。
部屋は奇麗なのに、もちろんどこからも火の手など上がっていないのに、焦げ臭い。

部屋に入って機械の周辺などを見て回りましたが、どこにも異常はありません。どうしてこんな匂いがするのか分かりませんが、匂いがきついので一旦部屋を出ようと振り返った瞬間でした。

急にドアが閉まったんです。
しかもドアの擦りガラス越しの向こうに、笑いながらこちらを見ている幼い男の子がいました。

ゾクリとしました。
お客様は誰もいないはずです。ましてやこんな深夜にあんな幼い子供がいるはずもありません。

恐怖はありましたが、とりあえず部屋を出ようと意を決し、私は男の子が覗くドアに近付きました。尚も男の子は笑っています。
ドアノブに手をかけ、思い切って開けた瞬間、男の子は急に向こうへ走っていってしまいました。思わず私はその後を追いかけ受付まで行きましたが、男の子の姿はどこにもありませんでした。

以上が私の体験です。

後に店長から聞いたのですが、そこは確かに以前は古いカラオケ店だったそうです。
隣の飲食店から火が出て、こちらにも被害が発生し、それで新しい店舗に改装されたとのことでした。

飲食店の方は全焼だったらしく、店主と、女性のアルバイト従業員が一人亡くなってしまったそうです。更に悲しいことに、そのアルバイトの女性は、妊娠中だったそうです。

もしかしたら、私の見た幼い男の子って、その女性のお腹にいた赤ちゃんだったのでは…そんな風に思ってしまいます。

でも、(お母さんを見つけてくれてありがとう)とは、どういう意味だったのでしょうか?
未だに分からない体験です。

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