体験場所:広島の自宅
これは私が小学生の頃に体験した話です。
ある日の学校終わり、小学校の友達5人と私の家でかくれんぼをして遊ぶことになりました。
広島にある私の実家は、母屋の他にも田舎ならではの広い庭の他に、敷地内には倉庫が3軒ほどあり、更に隣接して祖父母の家もあります。
それだけでも隠れるには十分な広さだったのですが、それに加えて敷地外でも半径〇〇m圏内までなら隠れても良いというザックリとした大規模ルールを設定してしまったため、1ゲーム1時間以上かかる長丁場のかくれんぼとなってしまいました。
そんな高難易度のかくれんぼが繰り広げられる中、その不思議な出来事が起こったのは私が鬼になった時でした。
隠れている友人を探すために入った物置の棚で、強かに頭を打った瞬間でした。
お風呂場に蓋をして隠れる友達M君のビジョンが確かに脳内にはっきりと浮かんだのです。
半信半疑で風呂場に行ってみたところ、使ってないはずの風呂に何故か蓋がしてありました。
思い切ってその蓋を開けると、びっくりした表情のM君がビジョン通りの恰好で隠れていました。
私自身かなり驚いたのですが、その時は(いや、そんなはずはない。ただの気のせいだろう…)と、余り深く考えずにかくれんぼを続行しました。
先ほど見つけたM君を仲間に加えて他の友達を探している時、M君に先ほど脳に浮かんだビジョンの事を説明したところ信じてもらえず、代わりに「気持ち悪いこと言うなよお前!」と頭をぶたれてしまいました。
その拍子にまた同じように脳裏にビジョンが浮かびました。
今度は庭から祖父母の家の裏まで隠れながら移動しているI君の姿でした。
先ほどと同じように現地に行ってみると、やはりビジョンと全く同じようにI君が隠れていました。
同じ現象が2度も起きたことに私も少々怯えながら、I君に「さっき庭から移動してここに来たの?」と確認すると、やはりその通りで、「何で知っているの!?」と驚かれました。
私自身その二度目のビジョン体験でかなり怖くなってしまい、時間も時間だったので、そこでかくれんぼはお開きとなりました。
その後は何度頭を打ち付けても、あの時の状況を再現しようとかくれんぼ中に頭を叩いてもらっても、再びビジョンが脳内に浮かんでくることはありませんでした。
ここからはこの体験についてのあくまで私の仮説にすぎないのですが、サイキック能力の一つにクレアボヤンスという霊視、透視能力があります。
いわゆる千里眼のことなのですが、それは思い入れのある物や土地にあって起きやすいと言います。
自分の生まれ育った家の物置で頭を打ち付けた瞬間、自分の家の敷地と私の脳とが何らかの霊的なリンクをしたのではないか、そしてその現象に恐怖を覚えた私の脳は、同じ能力が発現するのを拒否しているのではないか、と、そう思うのです。
現在30代になり、自分の力に限界を感じ、様々な困難に出くわし挫折を味わう中で、もしもあの時あの力を受け入れていれば、もしかしたら今自分は特別な存在になれていたのではないかと思うと、今になって当時のことを悔んでなりません。
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