体験場所：神奈川の自宅
これは2020年の夏頃に体験した話です。
当時、神奈川県に引っ越して約半年ほどが経った頃でした。
私は新婚で夫との二人暮らしを楽しんでいました。
ある日、夫が仕事に行っている時でした。
家には私一人だけです。
『ドン！』
と大きな音がしたので、驚いて音の聞こえた方へ行ってみると、洗面所で物干し竿が倒れていました。
「なんだ。びっくりした」
ホッとして独り言を呟いていると、
『ぴちょん、ぴちょん』
と、今度は水が垂れる音が聞こえました。
音を辿ると、浴室のシャワーの水が漏れていました。
前日、最後にシャワーに入ったのは私です。
最後は固く蛇口を締めたはずでしたが、今目の前のシャワーからは水が垂れています。
「故障かな？夫が帰ってきたら直してもらおう。」
その晩、夫が仕事から帰宅すると、
「浴室のシャワーから水が漏れてるんだけど、見てくれない？」
と、早速声をかけて一緒に確認すると、
「ん？・・・なんにも、なってないよ？」
水は完全に止まっていました。
変だなとは思いましたけど、あまり気にすることなく、その日はとても眠たかったので「先に寝るね」と夫に言って、22時頃に寝室へ入りました。
寝室の隣はすぐ玄関で、寝室には内玄関と繋がる窓があります。
一人で寝室の布団に入り、しばらくゴロゴロしている時でした。
『コンコンコン』
と、玄関のドアを何度もノックする音が聞こえてきました。
（うるさいな～。こんな時間に誰？）と思いながら、寝室を出て、玄関の覗き穴から外を覗いてみましたが、誰もいません。
玄関のドアを開けて確認しても、外はとても静かで、いつも通りの夜でした。
まだリビングで起きていた夫に、
「玄関ずっとうるさかったけど、聞こえた？」
と聞くと、
「なにも聞こえないよ？」
と言って、不思議そうな顔をこちらに向けていました。
（かなり大きな音だったのに、聞こえていたのは私だけ？）
と、少し気味悪くも思いましたが、結局眠気には勝てず、その晩はそのまま再び布団に入りました。
その日、私は不思議な夢を見ました。
一人の女性がお花畑を走っています。
私は会ったこともない人です。
女性の頭の上には文字が浮かんでいました。
「〇あゆみ」
私が読めない一文字の漢字の下に、名前らしき文字が続いているので、恐らく頭の漢字は苗字なのでしょう。どうやらフルネームが表記されているようでした。
シーンが変わり、次は男性がいました。
彼は楽しそうに踊っています。
25歳くらいのオシャレな男性です。
その人の頭上には、
「◯けんじ」
またシーンが変わり、さっきとは違う女の人が滝の前で手を広げ、気持ちよさそうに水を浴びていました。
やっぱりその人の頭上にも、
「◯のぞみ」
みんな同じ一文字の名字だったので、私は「兄妹なんだろうな」と思いました。
そこでスッと目が覚めました。
私はなぜか今見た夢の人達の名前を忘れてはいけないと思い、直ぐに3人の名前をメモに取ったのです。
その朝、夢に見たものを夫にも話しました。
「名字みんな一緒だったんだよね。多分兄妹だと思うんだ。」
そう言うと、
「どんな名字だったの？」
と夫が聞くので、私は読めないからと言って、夫の掌にその漢字を書きました。
すると、夫が少し怪訝な顔して言いました。
「…本当にこの漢字、知らないの？」
知らないと答えても夫が困った顔して何度も聞き返すので、私も何だか気になって、直ぐに携帯を取り出して調べました。
『弔』
「弔 ちょう・とむらう ：死者の霊をたずねてなぐさめる。死者をいたみ、くやみをのべる。」
「え？・・・名字じゃなかった」
漢字の本当の意味を知ったあとで、前日に起きた一連の奇妙な出来後が思い出され、スッと背筋に寒気が走りました。
実際に夢に出てきた３人が、私やこの家、それと前日の出来事と繋がりがあるのかは知る由もありません。
ただ、それ以降も、金縛りや不思議な現象が続いています。
その度に「あの3人かな？」と思うと、不思議と怖いという感情は湧いてきません。
もしかしたら、何か伝えたいことがあるのかな？と。
いつかそれを知れる日が来るといいなと思います。
コメント