【心霊スポット】福岡県|犬鳴峠の怖い話「予期せぬ道」実話怪談・短編

【心霊スポット】福岡県|犬鳴峠の怖い話「予期せぬ道」実話怪談・短編
image photo
投稿者:ささみ さん(20歳/女性/美容師)
心霊スポット:福岡県宮若市「犬鳴峠」

福岡から北九州に向かう時、いつも通る道がある。交通量も信号も多いけど、大通りだから安全で明るくて、迷うこともない。ナビを入れると毎回そのルートが表示される。そんな“当たり前”みたいなルートだった。

けど、その日は少し違った。

北九州に向かう途中、助手席の友達と他愛もない話をしていると、ふと「犬鳴トンネル」の話になった。

「犬鳴って行ってみたいけど、あそこやばいらしいやん」

「え〜、やめときって!夜通ったら絶対何か出るよ!」

ほんの数秒、冗談交じりに笑いながら話しただけだった。怪談話にもならない、軽く流すような会話。

次の赤信号で停車した時、ついでにスマホのナビアプリを設定した。目的地は北九州。いつものように3号線を通るルートが出るはずだった。

……けど、ナビが示した青い線を見て、思わず「ん?」と声が出た。

ナビされたルートは、いつもの大通りではなく、山の中を抜ける道。しかもその名前には見覚えがあった。

──犬鳴峠。

「え、なんで犬鳴峠通るようになっとるん?」

隣の友達がナビを覗き込んで言った。確かに。明らかに遠回りだし、いつもは絶対に選ばれないルートだった。それなのに、画面上にはそれが「最短ルート」だと表示されている。

気味が悪くなって、一度ナビを閉じ、再度立ち上げてルート検索しても、また同じ。別のアプリに変えてみても、やはり“犬鳴峠”経由のルートがナビされる。

「これ、偶然よね?」

「さっき犬鳴の話したけん、スマホが聞いとったんじゃ?」

笑いながらそう話したけど、どこか笑えなかった。アプリに“偶然”なんてあるわけがない。するとやはりそれが最短ルートなのだろうか?仕方なくナビを信じてそのまま走り出した。

市街地を抜けると、街灯の数がどんどん減っていった。窓の外には木々の影が揺れ、道幅はどんどん細くなる。やがて看板に「犬鳴峠」の文字が現れた瞬間、車内の空気がピンと張り詰めた。

「…これって、あの“旧犬鳴トンネル”のある峠よね?」

「そう。けど、旧トンネルはもう通れんやろ?」

そう言いながらも胸の奥がざわついた。窓も開けていないのに車内を冷たい風が吹き抜けた感じがして、なぜだか背中がゾクリとした、その時、

『この先、右方向です』

まるで生身のような温もりのある声でナビがそう告げた。ちょうど旧犬鳴方面へと向かう分かれ道に差し掛かっていた。右の道の先は暗く、ガードレールの向こうは木々に覆われて見えない。

「……これ以上はやめとこっか」

「うん、さすがに怖いよ」

結局、その分岐での選択は避け、少し引き返して新犬鳴トンネルを抜けて北九州へと向かった。

ただ、トンネルを抜けた瞬間、ナビ画面に“ルートを再検索中です”という文字が浮かび、再び胸がざわついた。だが、ナビが選択したのはいつもの大通りルート。何度設定し直しても、もう「犬鳴峠」経由のルートが選ばれることはなかった。

誤作動といえばそれまでだが。でも、犬鳴を話題にした“その日だけ”、なぜかナビが“犬鳴峠を越える道”を指し示した。まるで何かに見られているみたい。

今思うと、その頃はよく心霊スポットに行っていた時期でした。
その影響とかがあったのでしょうか?

ただのアプリの誤作動だと思いたいのですが、あまりにもタイミングが絶妙すぎたので、今でも思い出してしまう体験です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました