心霊スポット:香川県三豊市『加嶺(かれい)トンネル』
これは私が新婚であった平成15年に経験した恐怖体験です。
私達夫婦は心霊に興味があり、テレビやネットで心霊スポットを検索していました。
そうしたら、ネットで香川県三豊市にある『加嶺(かれい)トンネル』に怨霊が渦巻いているという記事を見つけました。
そこは私達夫婦が住んでいる香川県観音寺市から車で30分ほどの場所でした。
怖いもの見たさもあり、私達夫婦はその夜、加嶺トンネルに行って見ることにしたんです。
一抹の不安もありましたが、ある理由が私たちの背中を押してくれました。
実は、私の妻には霊感があり、万が一危なくなったら妻が警告を発するから、その際にすぐに逃げれば問題ないと考えたのです。
そしてその夜、私たちは加嶺トンネルへ向けて車を出しました。
現地には予定通り30分程で到着し、私は加嶺峠の入り口に車を停車させました。
車を止めたすぐ近くには消防署がありました。
すると、ちょうどトレーニング中だった消防士さんが、
「まさか加嶺トンネルにいくんかい?」
と、私達夫婦に話しかけてきました。
「はい。そうです。」
と私が言うと、
「悪い事は言わない。行かない方がいい。」
と消防士さんは言いました。
理由を聞くと消防士さんは、
「あそこにはヤバい怨霊がいるらしいよ。噂だけど、あんた達のように興味本位で行くと、大喧嘩になり殺人事件に発展したり、事故に巻き込まれることもあるらしいよ。あと心霊現象かどうかは分からないけど、夜中誰もいないのに人の気配はするし、ドアが勝手に開いたりするらしいんやで。」
と教えてもらいました。
しかし、私達夫婦は消防士さんの忠告に耳を傾ける事なく、奥のトンネルに向かって歩きだしました。
消防署から5分ほど歩いて行くと、トンネルの入り口が見えてきました。
するとその途端、
「すぐに帰ろう。ヤバい怨霊がいる!私でもどうすることも出来ない。気持ち悪い!!」
そう妻が叫び出したんです。
私も気味が悪くなり、妻の忠告に従って帰る事にしました。
走って消防署まで戻ると、さっきの消防士さんが、
「お前達馬鹿やな。何もなければいいけど…」
と、憐れむような目を向けられました。
(大丈夫、きっと何もない…)
と、その時は信じていました。
車の中で妻は、
「トンネルの入り口に鬼のようなのが居て、私達を威嚇していたの。トンネルの上からは、怨みを持った女の子の怨霊がこっちを見ていたわ。それにトンネルの奥には得体の知れない怨霊がいるのを感じたの。万が一トンネルの中に入っていたら、私達は怨霊によって死に誘われていたかも!!」
と恐怖に満ちた目で話していました。
私は必死に車を走らせ、その場を後にしました。
その日の夜のことです。
家に着いて人心地ついたせいか、怨霊の事を忘れかけていた時に事件が起こりました。
普段は温厚な妻が、私が言った何でもない一言に対して、
「あんたのその言動が私をイライラさせるのよ!」
と突然声を張り上げ怒りを露にしたんです。
私もなんだかイライラしてしまい、
「そんなに俺が悪いんなら消えてやるわ!」
と叫んだ後、壁に向かって頭を打ち付け自傷行為に及んでしまったのです。
頭を打ち付ける瞬間、
(加嶺トンネルに行ったのがダメだったんだろうか…?)
そんなことを思いながら、
「トンネルに行ったら事件や事故に巻き込まれる…」
そう言っていた消防士さんの言葉が頭をよぎりました。
今となっては加嶺トンネルの怨霊が大喧嘩の原因かどうかは分からないです。
しかしそれ以降、少なくともそのような場所に遊び半分で行ってはいけないと考えるようになりました。
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