【怖い話】実話怪談|短編「いびき録音アプリ」愛知県の心霊体験談

投稿者:yumemigusa さん(34歳/男性/会社員/愛知県在住)
体験場所:愛知県岡崎市

これは私が友人のAから聞いた話です。
厳密には、聞いた話というか何というか…とりあえず聞いて下さい。

愛知県の岡崎市で実家住まいだったAは、両親と、愛犬のタロウと一緒に暮らしていました。
タロウはAの部屋に入りたい時は、いつも部屋のドアを爪でガリガリと引っ掻いてアピールし、ドアを開けてもらって中に入って来ていたそうです。

そんなタロウも歳をとり、下半身麻痺で歩けなくなってしまいました。
家族みんなで介護をしていましたが、1年ほど経つ頃には亡くなってしまいました。

タロウを溺愛していたAは、お寺で焼いてもらったタロウの遺骨を、1㎝ほどの小さなビンに入れてもらい、お守りとして持ち帰ったそうです。
それくらいタロウのことを大切に思っていたようでした。

愛犬の遺骨
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それから数か月が過ぎ、悲しみも癒えた頃、Aと僕はご飯に行くことになったんです。

どんな話の流れでそうなったのか、Aは、
「自分がいびきをかいているか、気になるんだよねw」
と言うので、私はいびきに反応して録音してくれるアプリがあることを教えました。
するとAはさっそくアプリをダウンロードし使い始めたそうなのですが・・・

その日、Aがアプリをセットし、いつも通り自室で寝ていると、何か物音がして薄っすらと目が覚めたそうです。
Aにはその音に聞き覚えがありました。
それは、タロウが廊下を歩く時に聞こえていた、床に爪が当たる音だったそうです。

それを聞いて、半分寝ぼけているAが「タロウ?」と不意につぶやくと、それは足早に部屋に近付いてきてドアをガリガリと引っ掻き始めたのです。

扉を引っ掻く犬
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その音で一気に目が覚めたAでしたが、タロウのことをどれだけ大切に想っていたとしても、あまりにも怖すぎて全く動けず、さすがにドアは開けられなかったそうです。

僕の元にAから連絡が来たのが、その翌日のことでした。

二人で喫茶店でコーヒーを飲みながら、この一連の怪奇現象について聞かされた後、
「いびきの録音アプリに、その音が録音されてるみたいなんだけど、一緒に聞いてくれないか?一人だと怖すぎて…」
と、Aは言い出したんです。

僕は怖いのが苦手なので一度は断ったのですが、Aにどうしてもと頼み込まれ、しかたなく一緒に聞いてみることになりました。

イヤホンを片耳ずつ付け、アプリの再生ボタンを押すと・・・

『カツカツカツ』と確かに床に爪が当たるような足音が録音されていました。

床を歩く犬の足音
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そしてAが「タロウ?」とつぶやく声のあと、その足音が『カカカカカッ』と早足に近づき、爪でドアを『ガリガリガリガリガリ』と引っ掻く音がハッキリ記録されていたのです。

「うわ、マジか~」

私は鳥肌が止まりませんでした。
やっぱり聞くんじゃなかったと後悔していると、

『ズーッ、トットットットッ』
ドアを引っ掻く音より録音機に近い場所から、布団から立ち上がりフローリングの床を歩く人間の足音がします。
Aの話では、怖くてドアを開けられなかったという話だったのに…

「ドアまでは行ったんだな…」
と僕が言うと、Aは目を見開いたまま固まっています。

「覚えてない…」
震える声でAがそう言います。

『ガチャリッ。』
と、ドアノブを捻る音が聞こえ
『キーッ』
と、次にドアを開く音がしたかと思うと、

「バウブォウバウブォウバウ!!!!!!」
猛り狂う犬の呻り声と一緒に、激しく肉に齧りつくような不快な音がスマホから聞こえてきました。

肉に齧りつく音
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「バウブォウ、グシャッ、バフ、ジャグ、バウブォウバウ、グジェ」
明らかにタロウが誰かに襲い掛かり、肉を咀嚼しているような、思わず耳をふさぎたくなる音が聞こえ続けています。
しかも襲われている誰か、おそらくAは、全く抵抗している様子がありません。

「これって、お前…襲われてないか?」
僕がそう言うと、

Aは信じられないほどに真っ青な顔をして、震える指で音声を止め、
「すまん。今のは忘れてくれ…」
と、一言だけ言い残して、店を出て行きました。

店を出ていく友人
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呆然としたまま帰路に就くAの背中を見て、なぜだか僕は思ったんです。

(Aは、タロウに何かしたんだな…)

「タロウを心から想っていた」
そう口にしていたはずのAの震える背中から、妙な後ろめたさのようなものが滲み出ているように感じました。

それ以来、何だか気まずいし怖いしで、Aとは連絡を取っていません。

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