【怖い話】実話怪談|短編「子犬の道案内」岐阜県の心霊体験談

投稿者:HMB さん(23歳/男性/会社員/岐阜県在住)
体験場所:岐阜県S市

これは私がまだ高校生だった頃に体験したお話です。

当時、岐阜県S市に住む高校3年生だった私は、高校最後の夏ということもあり、遊びたい気持ちで一杯だったのですが、直前の模試の判定がとても悪かったため泣く泣く家に閉じこもり、毎日受験勉強をしていました。

ある日の夜、勉強が煮詰まって手が止まってしまった私は、気分転換に外に出てみることにしました。
ここ数日の間、ずっと自分の部屋に閉じこもっていたので外の空気はとても気持ちが良く、活気が湧いて来た私は、そのままの勢いでランニングすることにしました。

深夜のランニング
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中学の頃は運動部に所属していたものの、高校に入ってからは運動とは無縁だったので、久々に全身に血がめぐって来る感覚を味わって、気分が良くなったことを今でも覚えています。

久々に勉強のことを忘れられたせいか、そのままランニングに夢中になってしまい、気が付いたら家から5㎞程も離れた場所まで走っていました。

(さすがに走りすぎたか…そろそろ引き返そう。)
そう思った私は立ち止まり、軽く呼吸を整えて、元来た道を引き返そうとしました。

その時、真っ暗闇な景色の向こうから(正確には少しだけ街灯はあったけど…)、何か小さな物がこちらに向かって来ているのを確認しました。

(何だ…まさか心霊現象か!?(笑) )と冗談半分に思ったけど、それも束の間、やって来たのはただの「子犬」でした。

暗闇から子犬
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私は犬のことはあまり詳しくはありませんが、パッと見た感じ、柴犬のような…でも少し違う、いわば雑種でしょうか?とても愛嬌のある子犬で、尻尾をパタパタと振りながら、こちらに駆け寄って来て、私の足元をぐるぐると周って行ったり来たりしています。

私がそっと手を差し出すと、警戒もせずその手をペロペロ舐めて来たり、とても可愛い子犬でした。

(すごい人に慣れている子犬だな…どこで飼ってる犬だろう?)
と思ったのですが、よく見てみると、その子犬は首輪を付けていませんでした。

(野良犬にしてはずいぶん人に慣れている様子だけど…)
うまく言えませんが、その時、何か腑に落ちないというか、何とも言えない違和感を感じました。

そんな風に目の前の子犬を、一人で勝手に色々考察していると、突然その子犬が向こうに走りだしました。
それを追いかけることなく私がその場で突っ立って見ていると、子犬は何メートルかしたら立ち止まり、少しだけ私の方に近づいて、また何メートルか向こうに走る、というのを繰り返しています。

「こっちに来て!」
まるでそう言っているかのように見えた私は、その子犬の後を追ってみることにしました。

すると子犬は、やはり私に来て欲しかったのでしょう。
私が追いかけて来るのを確認すると、どんどん先に向かって走り出しました。

走る子犬
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何分か追いかけましたが、子犬は何度かこちらを振り返るだけで、一向に止まってくれる気配がありません。

(いったいどこまで行けば良いんだよ…)
少しイライラして来た私は、隙をみて逃げ出してやろうかと思いました。

すると突然、子犬は誰かの所有地であろう敷地の中に入っていきました。

(やっと到着したか?)
と思ったのですが、何故かその敷地に入った途端、子犬の姿がどこにも見当たらなくなってしまいました。

とりあえず子犬がいないと何をすれば良いのか分からないので、私は子犬がどこに居るのか探すことにしました。
ところが、辺り一面どこを探しても子犬は見当たりません。

(どういうことだよ…用があったんじゃなかったのか?)
と思いながら、しばらく探してはみたものの何処にも居ないのです。

他人の敷地だし、あまり長居はしたくなかったのですが、このままでは後味が悪いので、最後にちょっとだけ、奥の方も確かめてみようと、敷地の奥の、背の高い雑草が生い茂っている場所に向かい、草を少しかき分けてみました。

するとそこで、ようやく子犬を見つけたんです。

ただ、その子犬は………
ダンボールの中で丸くなって、目をつぶっていました。

子犬は死んでいました。

段ボールの中の子犬
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それも死後何日かは経過していたのでしょう。
死骸は傷んでいました。

傷んでいるとはいえ、その死骸がさっきまで私にすり寄って来ていた子犬であることは、容易に理解できました。
ですが、その状況を受け止め切れず、同時に血の気が引いていくのを感じた私は、怖くなってその場を走って立ち去ってしまいました。

翌日になって、一応、市の職員に連絡はしておきましたが……

後から知った話ですが、その土地は、ペット霊園の建設予定地だったらしく、周辺の住民との間で大いにもめて、計画が一時ストップしていたようです。
あの時は暗闇で見えなかっただけで、「ペット霊園建設反対!」という抗議の看板が大量に建てられている場所でした。

結局あの子犬が野良犬だったのか、ペットだったのかは分からず終いでしたが、ダンボールに入れられていた辺りを鑑みると、人為的にあの場に捨てられていたのは確かでしょう。

ですが、なぜ子犬をペット霊園の建設予定地に捨てたのでしょう?

飼い主は、あの土地がペット霊園になることを知った上で子犬を捨てたのでしょうか?
だとするとその飼い主は、あの子犬は誰にも拾われないよう、始めから霊園のお世話になることを目的にあの場に捨てたのでしょうか?

今となっては憶測に過ぎませんが、後味の悪い、色々考えさせられる体験でした。

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