【怖い話|実話】短編「カラオケ店の鏡」心霊怪談(宮城県)

投稿者:とっちゃん さん(29歳/女性/ウェディングプランナー)
体験場所:宮城県仙台市 某カラオケチェーン店

私が20歳の時、仙台市の専門学校に通っていた頃の話です。

学校帰りに同じクラスの友人A子と二人でカラオケに行こうということになり、A子の車で某カラオケチェーン店へ向かったんです。

某カラオケ店
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店に到着し、受付を済ませ個室に入ると、私たちはまず学校の宿題を先に済ませてから歌おうという事になり、カバンから取り出したプリントをテーブルに広げ、二人で協力して宿題を進めました。

お腹が空いて注文したパフェを食べながら宿題に取り組んでいると、A子がとても不安そうな顔でこう言うんです。

「あ~なんか寒気がする、この部屋おかしい、空気やばくない??」

もともと霊感があると言うA子は、部屋に入った時から何か異様な感覚があったそうなのですが、私を怖がらせないために黙っていたと言います。

そんな話をしている時でした。
急に部屋に完備されているエアコンが勝手に稼働し始めたんです。

季節は春で、エアコンは必要のない時期でした。
それが唐突に動き出したので、私たちも一瞬驚いたものの、きっと部屋に私たちが居たので自動で動き出したのだろうと納得しました。

それでも、A子が感じている違和感については引っ掛かったままだったのですが、とりあえず私たちは気を取り直し、再び宿題に取り掛かったんです。

すると今度は突然スピーカーから、

『ああああああああああああ…』

と、男性の様な低い声が部屋中に響き渡ったんです。

スピーカーから聞こえる男の声
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「きゃーーーーーー!!」

私たちは抱き合いながら悲鳴を上げました。

まだ歌ってもいないので、マイクのスイッチはオフのまま、機械の上に置かれた状態ですから、スピーカーから音が出る事は絶対に有り得ないはずです。

もう私は居ても立っても居られず、部屋から飛び出そうとすると、

「怖がらないで!部屋から出ると逆効果だから!楽しく歌って何も無かったようにするのが一番いいから!」

と、A子が言うんです。

急に逃げ出すと憑依されてしまう場合もあると言うA子のアドバイスを信じ、私たちは何も気にしていないフリをして歌い始めました。

その後は特に怪異が起こることはなかったのですが、部屋の壁に取り付けてある鏡を見て、A子がこんな事を言うんです。

「この鏡、左半分が真っ黒で何も見えないけど、とっちゃん(私のこと)も分かる??」

そう言われて私も何度もその鏡を見たのですが、黒い影など全く見えないし、何か奇妙なものが映っているわけでもありません。私にはごく普通の鏡にしか見えませんでした。

それでもA子の言動に私の恐怖は駆り立てられ、カラオケ中は終始鳥肌が止まりませんでした。

ようやく2時間の制限時間が過ぎ、カラオケは終了。
部屋を出る間際、ホッと胸をなで下ろす私をよそに、A子が壁の鏡を外しているのが見え驚きました。

「ちょっと、何し…」

と、私が言い切る間もなくA子は取り外した鏡を裏返しました。

鏡の裏には、お札が貼ってありました。

鏡の裏の御札
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「やっぱりあった!この部屋で絶対何かあったはずだよ!人が自殺したか、殺されたか、暴行があったか・・・」

そう興奮しながら話すA子の言葉に、私は一気に全身が総毛立ち、その後1週間は一人でトイレに行けなくなりました。

それ以降、そのカラオケ店へは滅多に行かなくなり、友人の誘いで仕方なく訪れた際も、幸いなことに例の個室には案内されることはありませんでした。

それから月日は流れ、専門学校を卒業し社会人となった私は、昨年になって偶然そのカラオケ店を久しぶりに訪れる機会がありました。

そこで「あっそういえば!」と、あの時のことを思い出し、例の個室を覗きに行ったのですが…

個室には、立ち入り禁止の張り紙が貼ってありました。

店員さんに聞いたところ、新しいカラオケ機材を入れても音が出なかったり、マイクの調子が悪く、エアコンも効かない為、その個室はもう使ってないのだそうです。

やっぱりその個室では、かつて何か凄惨な事件があったのでしょうか?
知りたくもないので調べてはいないのですが…

皆さんもカラオケ店に行った際は、鏡の裏を一度確認してみて下さい。

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