体験場所:沖縄県沖縄市の実家
私は実家暮らしで、沖縄県の沖縄市で母と2人で暮らしています。
これはつい先月、年末年始に合わせ、県外に住む弟が帰省してきた時の話です。
私の実家には私の部屋しか子供部屋がなく、他に余っている部屋もないため、弟が帰省した際は自然と私の部屋で寝ることになります。
流石にこの歳で弟と一緒に寝るのも気恥ずかしかったので、弟が帰省している間、私は仕方なく彼氏の家で寝泊まりさせて貰っていました。
それは、年末年始をゆっくり実家で過ごした弟が、再び実家を出る前日のことでした。
その日の朝、彼氏の家から直接職場に向かおうとしていた私は、足りない荷物があることに気が付いて出勤前に急いで実家に立ち寄りました。
玄関を開け、同じく出勤前の身支度中だった母に「おはよう」と挨拶を交わし、そのままドタドタと弟が寝ている私の部屋へと急ぎました。
ガチャッと部屋のドアを開けて中を覗くと、弟がベッドに寝ていたのですが、床にも大きく膨らんだ布団があり、他に誰か寝ているようでした。
まさか誰か泊っているとは思わなかったので、大きな音を立ててしまって申し訳ないと思いながら、私は部屋の前でドアノブを握ったまま、廊下の向こうの母に「も~、誰かお泊まりするなら言えばいいのに~。そしたら荷物確認して昨日取りに帰ったし~」と声を細めて伝えました。
すると母も部屋の前まで来て、一緒に部屋の中の二人の寝顔を覗き込みながら、「だからよ~、昨日もこの子、どっかから帰ってきたと思ったら、ずっと大きな声で話してて、うるさくてお母さんそれで起きたんだよ~」と、母も顔をしかめて言いました。
二人の寝顔を覗き込んだと言っても、まあ朝方で辺りも暗く、カーテンも閉まっているし電気も点いていなかったので、顔の影と言いますか、シルエットが見えたくらいで、まあ、誰かいるなぐらいの感覚でした。
とりあえず出勤前で急いでいた私は、そーっと部屋の中に入って必要な荷物をかき集めていると、お友達が寝返りを打つようにして少し動いたので、慌てて荷物を持って部屋の外に出ました。
そのまま「行ってきます!」と母に声を掛け、私は急いで家を出ました。
その日の夜、翌日には弟が実家を後にするので、夕食はみんなで外に食べに行きました。
その食事中、私は思い出して弟に言いました。
「そういえば今朝はごめんね。お姉ちゃんがうるさかったから友達起こしてしまったかも。何も言ってなかった?ってか、誰か泊めるなら早く言って~。部屋のドア開けたら友達寝てるからビックリしたさ!」
すると弟は、箸を止めて不思議そうな顔をしたかと思うと、「待って、お姉ちゃんなんの話してるの?この帰省中、友達なんて誰一人泊めてないけど?」と言われました。
「え!?そんなはずない!」
と、一緒にご飯を食べていた母もビックリして「昨日、あんたが帰ってきた後、あんたと友達の話し声が大きかったから、お母さんそれで目が覚めたんだよ!」と、呆れたように言いました。
でも、弟は困った顔しながら言い返します。
「確かに昨日帰った時は友達に電話しながら家に入ったけど、スピーカーにしてなかったから俺の声しか聞こえなかったはずだけど・・・?」
全くと言っていいほど話がかみ合わず、でも弟が嘘をついていないことは話していて分かります。
でも、じゃああの時、私と母が見た人は?
母が聞いた話し声とは誰の声だったの?
と、答えの出ない疑問だけが残りました。
真相は全く分かりませんが、私も母も絶対に寝ぼけてはいなかったので、確実に夢とかではありません。
それに母と私は同じ光景(ベッドで寝ている弟と、床で布団で寝ているもう一人)を見ながら話しているわけで、その記憶は二人とも共通しているわけですから・・・
床の布団から出ていたもう1人の頭、少なくとも顔の影だけは見ていますし・・・
もしかしたら、私の家にはもう一人誰かが住んでいるの…?
それとも、弟に憑いてきた何かなのか…?
これ以上考えても怖い答え以外は思い付かず、それに実家で起きた出来事だけに、嫌な事なら真相なんて下手に知りたくないと言うか、とりあえずこの件は私たち家族の中でもお蔵入りになりそうです。
今も未解決なままの不思議な体験談でした。
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