【怖い話】実話怪談|短編「同じ痣」高知県の不思議体験談

投稿者:みづき さん(30代/女性/医療事務/高知県在住)
体験場所:高知県室戸市の祖父の家の近くの川

あれは私が小学生の頃の話です。

私の父と母は共働きで、私はよく高知県室戸市にある祖父の家に預けられることが多かったんですよね。

祖父の家は周囲を田畑に囲まれ、自然が豊富なところで、正に田舎という感じでした。

預けられる時は、学校が終わると祖父が迎えにきてくれて、そのまま祖父の家に行き、夜になると父か母が迎えに来てくれるという感じでした。

祖父の家では、よく近所の子と4~5人で集まって遊んでいました。

ちょうど真夏だったその頃は、私たちはよく近くの川に泳ぎに行って遊ぶことが多かったんです。
周りを藪に囲われた川で、私たちはそこでひっそりと子供たちだけで遊んでいました。

川で遊ぶ子供たち
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その日もみんなで川に行き、潜って魚を探したり、どっちが先に岸まで着くか競争したり、ちょっと高いところから飛びこんでみたり、キャッキャと楽しく遊んでいたんです。

すると急に、
「痛い!」
とA子ちゃんが小さく叫ぶように声を上げました。

(どうしたんだろう?)
と思い近づいてみると、A子ちゃんは左足を抑えたまま異常な程に震えています。

「どうしたの?」
と慌てて理由を聞くと、

「水の中で、誰かに足を引っ張られたの…」
ってA子ちゃんが震える声で言うんですよね。

確かに、A子ちゃんの左足のふくらはぎの辺りには、何か強い力で掴まれたような真っ赤な痣ができていて、見るからに痛そうです。

手形の痣
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ですが、私たちはすぐに察しました。
(またBちゃんのイタズラか・・・)

私たちの中には、そんなことをやりそうなイタズラ好きのBちゃんがいました。

「イタズラにしてはやりすぎだよ!」
私たちはみんなでBちゃんに疑いをかけたんです。

しかし、そう言われたBちゃんは、何を言われているのか分からないといった風にキョトンとしています。

それに被害者である当のA子ちゃん本人が、
「Bちゃんじゃない子…」
って言うんです。

A子ちゃんに詳しく話を聞くと、それは髪が長い子だったって言うんです。
そして異様に力が強かったと…

「水中で藻掻いても藻掻いても全然離してくれないの…」

足を引っ張る誰か
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そう言ってA子ちゃんは目に涙を浮かべ震えてました。

でも、その話を聞いても私たちにはピンときません。
だって、私たちの中に、髪が長い子なんていなかったから…

なんだか急に気味が悪くなってきて、私たちは川から上がりました。

得体の知れない何かを怖がっているA子ちゃんを見て、子供ながらにその異様さを感じた私たちは、いつもより早く川から切り上げました。

でもやっぱり子供ですから、先ほどのことはすぐに忘れ、誰かの家に寄って遊んでからその日は帰ったんです。

その翌日のことです。

私は朝パジャマを脱いだ時にぎくりとしました。

私の左足にも、A子ちゃんと同じ場所に痣ができていたんです。

同じ場所に痣
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まるで強い力で握られたような手形の痣。
気が付かないうちにこんな痣が出来ていたことに寒気がしました。

それからしばらくは家庭の都合で祖父の家には行かなくなり、友達とも会えないまま、結局他の子たちには痣のことを聞けず終いとなってしまいました。

しばらくすると私の痣は消えていました。
一体どうやって出来た痣なのか。
記憶を手繰ってみても、未だに思い当たる節がありません。。

あの日A子ちゃんが言っていた髪の長い子が、もしあの場にいたとするなら…
私もその得体の知れない何かに足を引っ張られていたのでしょうか…

そんなものを見ずに済んで良かったのかもしれませんが、真相は分からないままですし、大人になっても思い出す度に背筋がゾクッとする思い出、だったのですが…

A子ちゃんとその数年後、大人になって再会することがありました。

友人と再会
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それであの時の話をしたところ、
「え?それ…なんの話?」

A子ちゃんはあの時のことを全く覚えていないんです。

私には何よりもそれが怖かったんです。

痣のことよりも、私一人だけがあの時のことを覚えている。
それが何より心細く、不気味に感じたことを今でも思い出します。

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