【怖い話】実話怪談|短編「営業前の掃除」愛知県の心霊体験談

投稿者:krjさん 30代/男性/会社員/愛知県在住
体験場所:愛知県名古屋市の某居酒屋

大学生の頃、僕は愛知県名古屋市の某居酒屋で働いていました。

居酒屋といっても、ジャズが流れる薄暗いお洒落系なバーのような店で、たまに有名人もお忍びで来るようなお店でした。

店は4階建てになっており、1階は5席だけのカウンターバー、2階は掘りごたつの部屋、3階には8つの個室部屋があり、4階は事務所兼倉庫となっておりました。

居酒屋ビル
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とにかく清潔がモットーのお店で、いつも店内はどこもピカピカでした。
特に店長は綺麗好きというか潔癖に近いものがあり、掃除には厳しかったんです。

掃除は早番出勤の人が開店前に行うことになっていました。

1階から掃除を始め、2階、3階と上に上がって進めていくのがいつものルーチンでした。
ですが、1階と2階は問題なく掃除できるのですが、なぜかいつも3階の個室の掃除に取り掛かると、決まって嫌な気分になるんです。

嫌な気分になる個室
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すべての個室がそうと言うわけではなく、ある特定の個室の掃除に取り掛かると、決まってザワザワと胸が締め付けられるような不快感に襲われるのです。

ある日のこと。
その日の早番は僕一人だったため、掃除も一人で行わなければいけませんでした。

1階2階の掃除を問題なく終わらせ、いよいよ3階の掃除に向かったのですが、やっぱり例の個室の入り口で、どうにも気持ちが悪くなり、2階へ逃げ出してしまいました。

(やっぱりあの部屋は無理だ…)
そう思った僕は、

(いつも綺麗にしてるんだし、今日一日くらい掃除しなくても大丈夫だろ…)
と自分に言い聞かせ、その日はその個室の掃除をサボってしまったんです。
怒られるのも嫌なので、店長には黙っていました。

そしてそのまま店は開店。
その日の営業がスタートしました。

営業スタート
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その日も店は盛況で、慌ただしい時間が過ぎていきます。
そんな中、3階の例の個室にお客様を案内した時です。

しばらくして、
「キャー」
という叫び声が聞こえてきました。

僕は多少躊躇したものの、慌てて例の個室に向かい、
「どうしましたか?」
とお声掛けしたんです。

「今、壁中に赤い斑点が現れた…」

壁中に現われた赤い斑点
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お客様はそうおっしゃいました。

ですが、確認しても壁に斑点は見当たりません。
アルコールもまだお出しする前だったので酔っぱらっているとも思えませんでした。

「…きっと勘違いですよ」
僕は冷や汗をかきながらも、そうお客様を取りなして部屋を後にしました。

ですが、しばらくして、また先ほどのお客様達が真っ青な顔で僕の前に現れこう言いました。

「…落ち武者が現れました。」

現われた落ち武者
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(落ち武者って…)
もう何が何だか、僕は内心パニックになりながらも、もう一度例の個室に向かったんです。
そして意を決し、部屋の扉を開けました。

・・・何もありませんでした。

とりあえずお客様をなだめ、別の個室に案内することにしました。

そのことを店長に報告すると、
「お前、今日、掃除サボっただろ?」
と、突然そんなことがバレてしまったんです。

僕はなぜこのタイミングでバレたのか、腑に落ちない顔で店長に謝ると、

「この店の3階には、幽霊が住んでるんだよ。」
と、店長が言い出しました。

「みんな怖がって、そのこと言うとバイト辞めちゃうから言わないんだけどさ・・・」

「閉店後に3階に行くと、落ち武者の霊があの個室で座ってるんだよ。」

座る落ち武者
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「そして、なぜか掃除をサボると閉店前にも出てくるんだよ。綺麗好きな幽霊もいるんだな・・・」
そう言って、力なく店長は笑っていました。

その店長の背後には・・・落ち武者が立っていました。

店長の背後に落ち武者
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掃除をサボったぼくを睨みつけているようでした。

何の因果でこの店の3階個室に住み着いているのか分かりませんが・・・
掃除が苦手な僕は、すぐにこのバイトを辞めることにしたんです。

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