【怖い話】実話怪談|短編「靖国神社の足音」東京都の心霊体験談

投稿者:コスモス さん(25歳/女性/主婦/北海道在住)
体験場所:東京都千代田区 靖国神社

これは今から20年も前に、私の知り合いの叔母さんが、東京都千代田区の靖国神社で体験したお話です。

新入社員として働き始めたばかりだった叔母さんは、この日、歓迎会も含め、会社の方たちと靖国神社でお花見を楽しんでいました。

その頃も靖国神社の桜はとても綺麗だったそうです。

靖国神社の桜
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花見も盛り上がり、始まってすぐに飲み物はなくなってしまい、叔母さんは一人で買い出しに行くことになりました。

綺麗な桜を眺めながらゆっくりと歩いて向かったそうです。

すると叔母さんはふと気が付いたのです。

さっきから後ろの方から『ダッダッ』と、何やら行進するような足音が聞こえてくるのです。

他にも花見客がいるのですから足音自体は別段不思議ではありません。

でも、なんとなくおかしいのです。

後ろから聞こえてくる足音は、なぜか叔母さんの歩きと同調するようにタイミングを合わせているのです。

後ろの足音
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叔母さんは、もしかしたら変質者か何かと思い気味が悪かったので、振り向かくこともせず、思いっきり走り出しました。

すると後ろの足音も速くなり、明らかに走っています。

無我夢中で走るも後ろの足音も速くなるばかり。

走るのを止め再び歩き始めると、足音のスピードも遅くなります。

何が目的なのか分からない後ろの誰かに脅威を感じた叔母さんは、とうとう意を決して後ろを振り向きました。

…するとそこには、膝から下がない日本兵がいました。

膝から下がない日本兵
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顔や皮膚にはやけどの痕もあったそうです。

何も言葉が出ずにいた叔母さんに日本兵はこういいました。

「お水はどこにありますか。お水はどこにありますか。お水をください。」

と、何度も繰り返し言ってくるのです。

もちろん生きた人間ではないことは明らかなのですが、日本兵ははっきりとそう口にしたのです。

そこから百メートル程のところに、水飲み場があったことを叔母さんは知っていました。

叔母さんは恐怖心を抑えながらも日本兵に、

「あちらに水が飲めるところがあります。」

と、指で方向を指しながら言いました。

すると日本兵はそちらの方に上半身だけで向かって行ったそうです。

しばらく身動きができなかった叔母さんですが、正気を取り戻した頃、なぜか足が勝手に動くような感覚でどこかに向かったそうです。

叔母さんが向かった先、そこは靖国神社の正面を出たところにある『戦没者慰霊碑』でした。

もちろん叔母さんはそこに慰霊碑があったことを知りません。ですが、それを目の当たりにした叔母さんは、不思議なことに涙が出てきたそうです。

涙を流す叔母
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まさに叔母さんが見た先ほどの日本兵は、かつて、国の為にと必死に戦い命を落とした日本兵だったのかもしれません。

食べ物はおろか、水を飲むこともままならず亡くなってしまったのかもしれません。

あの日本兵が、今でもあそこで水を求め彷徨っているのかは分かりません。

ですが、今でもその出来事を忘れない叔母さんは、毎年そちらへ出向き手を合わせているそうです。

それにしても一つ疑問なことが。

その日本兵の姿を見た時、膝から下はなかったということ。

だとしたら、叔母さんの後ろから聞こえてきていた足音は、一体どこから聞こえてきていたのでしょうか…。

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