【怖い話】心霊実話|長編「友人の道案内」沖縄県の恐怖怪談

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投稿者:まじーむん さん(26歳/男性/介護職/沖縄県在住)
体験場所:沖縄県今帰仁村の田舎道
沖縄県:友人の道案内

これは、私が高校3年生の時の話です。

誕生日が早いという事もあり、私は同級の友人達より先んじて車の免許証を取ったんです。

なので、当時は私が運転する車に友人らを乗せ、ドライブやキャンプに出掛けることが度々ありました。

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ある日のことです。

夜中の11時頃、沖縄県北部にある今帰仁村(なきじんそん)という村に住む友人のAから連絡がありました。

「暇なら今からドライブでもしない?面白いところ案内するよ。」

そう誘われ、夜も遅い時間でしたが、久しぶりのAからの連絡だったこともあり、私は直ぐにOKし、準備を済ませ車を出したんです。

折角なので私の地元の友人Bも連れ出し、私たちは二人でAが住む今帰仁村を目指しました。

その日の日付も変わる頃、ようやくAの家に到着。
久しぶりの挨拶もそこそこに、私たちは早速Aの案内の元、Aが言う面白いところに向けて車を走らせました。

沖縄県には戦時中に使われていた防空壕があちらこちらにありますが、Aが最初に案内してくれる場所も、そんな防空壕の1つだと言うのです。

「道から見える防空壕なんだ。」

それだけ言ってAは得意気にしているのですが、私やBはそれが今一つピンとこないまま、とりあえず言われるがままに車を走らせました。

気が付くと私たちは、街灯が1つもない、ヘッドライトの灯りだけが頼りというような心細い道を走っていました。

「大丈夫かよ…ここ…」

と、私もBも不安に思っていると、突然Aがこう言うのです。

「ヘッドライトを消して。ゆっくりそのまま直進して。」

私は言われた通りヘッドライトを消しました。
月明りも全く頼りにならず、ほぼ視界は闇となります。

そんな状況下ですが、私たちはAの言葉だけを信じて、真っ暗な道を時速10キロ程でゆっくりと直進しました。

すると急にAが言いました。

「そろそろ止まって。そのままライトをハイビームにしてみて。」

言われた通り車を停車して、暗闇での運転を終えホッとしながら、ヘッドライトをハイビームにして点灯すると、

「え!!」

目の前にはポッカリと大きな口を開けた防空壕が広がっていました。

それは道の突き当りにあり、真ん中には立ち入り禁止の看板が置いてあります。

その看板ギリギリの位置で私の車は止まっていました。

なぜこんな真っ暗闇の中、Aはこんなギリギリの位置で停車するよう指示できたのか、私は不思議に思いました。

しかしそんなことより、今、目の前にある、防空壕としてはかなり大きな穴、その圧倒的な存在感に私もBも息を飲むばかりでした。

穴の奥をジッと見つめていると、ゾッと背筋に寒気が走ります。

なんとなく来たことを私もBも後悔しているのを察知したのか、Aは、

「あと1つだけあるから。そこまで行ったら帰ろう。」

と、普段と変わらない調子で言います。

私もBも、既にかなり怖気づいていたのですが、せっかく久しぶりに会ったAのことも無下に出来ず、言われるがままに案内された道を進む事にしました。

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さっきの防空壕から再び暗い道を15分くらい走っていると、道は更に険しい山道となっていました。

私もBも妙な緊張と疲れのせいか、口数が少なくなってきた頃、

「そろそろ着くよ」

とAが言うので、

「どこに向かってるの?」

と聞くと、

「火葬場」

Aはケロリとそう答えました。

嫌な気分はさっきの防空壕からずっと続いたままです。そのうえ今は「火葬場」に向かっていることを聞かされ、私の心臓がギュッと縮み上がるのが分かりました。

するとBもそうだったのでしょう、

「流石にちょっと怖くなってきたし、この後で火葬場はやばいでしょ。今日はもう帰ろう。」

と、引き攣った顔を無理に微笑ませて言いました。

私ももちろん帰りたかったです。

しかし、Aだけがなぜか満面の笑みで、

「これだけ行ったら帰るから。ね、そのまま走らせて。」

そう言うんです。

正直Aがこんなに空気の読めない男だとは思っていませんでした。

私もBもげんなりした気持ちのまま、仕方なく運転を続けました。

するとその直後、

(あはは…)

男の子か女の子かは分かりませんが、明らかに子供の笑い声が聞こえたんです。

私はとっさに助手席のBの方へ顔を向けました。

するとBも同じタイミングで青ざめた顔を私の方に向けるんです。

その瞬間、確認せずともお互いに同じ声を聞いたことが分かりました。

スーッと全身に鳥肌が立つのと同時に、

「やばいやばい!やばいやばいやばいやばいやばい!!」

私もBも我を失ったように完全にパニックに陥りました。

とにかく来た道を戻ろうと、バックしようと後ろを振り向いた時でした。

後部座席にいたAが、充血した目で満面の笑みを浮かべ、シートの上を飛び跳ねてるんです。

まるでサルか何かのようにシートを叩き、狭い車内で暴れているそれは、明らかに普段のAではありません。

これは絶対にまずいと思い、直ぐにBが後部座席に回ってAを取り押さえ、私は車を無理矢理Uターンさせて、とにかく灯りがあるところに向けて車を走らせました。

火事場の馬鹿力とでもいうのでしょうか、自分でも驚く程のハンドル捌きで10分くらい車を走らせると、ようやく街の灯りが見えてきたんです。

徐々に窓から街の景色が入り込むにつれ、ようやく現実に戻れたような気がしてきます。

ルームミラーを見ると、Aも落ち着きを取り戻したのか、いつの間にかBから解放されていました。

街灯の灯りを心強く感じながら、そのまま少し走ると、前方にコンビニが見えてきたので、その駐車場で車を止めて一息つき、私たちは店に入りました。

まるで昼間の様に明るい店内の様子に、ようやく私たちは正気を取り戻せた気がしました。

飲み物を買って店を出て、一応一緒に買っておいた塩を開けて3人に撒いていると、Aが笑いながら言うんです。

「何してるの?幽霊でも見たのか?」

それを聞いて、私もBもしばし呆然としてしまいました。

改めてAの話を聞くと、防空壕に着いた直後からの記憶が全くないのだそうです。

ましてや次に行こうとしていた『火葬場』なんて、そもそも行ったことも聞いたこともないと言うのです。

一瞬でさっきまで感じていた寒気が再び戻るのを感じました。

誰かがそう言ったわけでもありませんが、3人とも、それ以上この話をすることを止めました。

あれから随分月日が経ちますが、私は今も時々思うんです。

あの月明りも差し込まない暗い山道を、私たちは一体どこに向かって車を走らせていたのでしょう?

もしもあのまま『火葬場』に行っていたら、私たちはどうなっていたのでしょう?

これが、私が高校生の頃に体験した出来事です。

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