【怖い話】都市伝説|短編「終わらないS字カーブ」青森県で噂される恐怖譚

投稿者:日向 千夏 さん(30代/女性/塾講師/青森県在住)
体験場所:青森県H市 海沿いの道路

これは、私が8年前の夏に体験した出来事です。

私は職場の同僚とバーベキューをしに、青森県H市の海沿いのキャンプ場に行きました。

キャンプ場でバーベキュー
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ひとしきり食事を終え、花火をしたり、一部の人はお酒を飲んだり、楽しい時間を過ごしていました。

私は車だったのでお酒は飲んではいなかったのですが、周りの雰囲気に釣られ、かなりはしゃいでいたように思います。

「夏といえば、怖い話でしょ!」

同僚の一人が、突然言いだしました。

盛り上がっている場で反対する人などいるはずもなく、一人ずつ怖い話を披露することになりました。

私が話したのは『終わらないS字カーブ』という、全く出どころの分からない地元で都市伝説的に語られる話です。

海沿いから街に向かう道の途中に、上りのS字カーブが数回続く道があります。その先に踏切があり、そこを越えるとすぐに住宅街になります。

深夜のある時間にその道を通ると、何度S字カーブを越えても次のS字カーブがあって、いつまでも踏切にたどり着けないという異次元ループ的な内容のものです。

地元では比較的知られた話で、ウケの方は期待していなかったのですが、お酒の効果もあってか同僚たちは楽しそうに話を聞いてくれました。

「お酒なくなってきたな。誰か買ってきてよ。」

怖い話が二週目に突入しようとしていた時、同僚の一人がそう言いました。

車で来ていた人は他にもいましたが、お酒を飲んでいなかったのは私だけ。仕方なく私が買い出しに行くことになったのですが…

「えぇ!?あのS字カーブ通らなきゃいけないじゃん!!地味に怖いんだけど…」

「大丈夫だって。まだ、そんな時間じゃないから。」

『終わらないS字カーブ』が出現する時間は夜の12時だとか夜中の2時だとか、様々な説がありましたが、その時はまだ11時を過ぎたばかりでした。

本気で怖がって行かないのは興ざめだと思い、私は渋々車に乗り込みました。

とは言えやっぱり怖いので、ケータイをスピーカーにして、みんなと話しながら行くことにしました。

走ること約5分。もうすぐ例のS字カーブに差し掛かるというところで電話の向こうから大爆笑が聞こえて来ました。それが私との通話を忘れさせてしまったのか、私が話しかけても誰も返事をしません。

それどころか急に電話が切れてしまいました。

(マジか!?)

そのまま件のS字カーブが目の前に迫ってきました。

迫り来るS字カーブ
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(…カーブって、何回越えるんだっけ?)

そう思いながら、一つ目、二つ目と数えていきました。

(…五つ目、六つ目……マジ?こんなにあるなんて…おかしくない?)

カーブを越えること10回。
もう、数える余裕なんてなくなりました。

街灯もない月明りだけの暗い道では、自分の車のライトだけが頼りです。S字カーブの先はまったく見通しがききません。しかも、二台がすれ違うのがやっとという道幅でUターンすることもできません。

半泣きになりながら、ひたすらS字カーブを走り続けました。

…いったい何分走ったのでしょうか。
不意にケータイが鳴りました。

「おい、いつまでかかってんだよ」

私の帰りが遅いことを心配した同僚からでした。

「えっ、だって、カーブが…。」

その時、やっと踏切が見えたのでした。

踏切
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車の時計は12時1分。

どうやら私は『終わらないS字カーブ』から解放されたようでした。

後日、『終わらないS字カーブ』を体験した人がいないか、友人や知人に聴きまくって探しました。

結果、体験したという人は見つからなかったのですが、体験者の話を聞いたという人によると、直前に件のS字カーブの話をしていたという共通点があることが分かりました。
私も同僚の前で『終わらないS字カーブ』の話をした直後の出来事でした…

しかし、『”あえて”、怪談話をしてから行っても何も起こらなかった。』という話も多く聞きました。これから行こうという前提で話しても効果はないのかもしれません。

結局、本当のきっかけは分からず終いです。

私はあれ以来、夜に海沿いは走らないことにしています。

でも、もし興味があるなら、深夜12時頃、怪談話をしてからの突入を試してみたらいかがですか?

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