【怖い話】都市伝説|短編「デスカルテ」愛知県の某病院で医師が体験した恐怖譚

投稿者:タクト さん(40代/男性/医師)
体験場所:愛知県名古屋市 某病院
愛知県:デスカルテ

あれは私が愛知県の某病院で、まだ末端の一医局員だった頃の話です。

その日、徹夜続きで疲れていた私は、早く帰りたかったのですが、どうしてもすぐに記載しなければいけないカルテがあり、パソコンに向かって必死に入力していました。

というのも、私が担当していた患者のAさんが突然亡くなってしまい、すぐに死亡報告書を記載しなければいけなかったのです。

Aさんの死因は院内感染によるもので、医療ミスとして訴えられてもおかしくないものでした。

できるだけ病院へのダメージを小さくしようと気を使いながらカルテを記載するがあまり、私は大変な失敗を犯していました。

それは、私が受け持っている他の患者さん(Bさん)のカルテに、Aさんに関する内容を記載してしまったのです。

ちなみにBさんはAさんと同じ病棟に入院している患者さんでしたが、数日後には退院を予定している元気な患者さんでした。

あまりに疲れていたため誤った記載に気付くことが出来ず、翌朝同僚に「診察記事でBさんが死んだことになっている!」と指摘され発覚しました。

幸い大事に至る前に発覚したため、こっそりと修正して、他のスタッフにはバレることなくその時はことなきを得ました。

しかしその日の夜、恐ろしいことが起こったのです。

これまで元気でピンピンしていたBさんが、突然Aさんと同じ症状を発症し、急激に容体が変わり突然死してしまったのです。

必死の処置を施したものの、当時経験があまりに乏しかった私は、どんどん容体が悪化するBさんの身に、一体何が起きているのか全く理解できず、ただただ呆然とすることしか出来ませんでした。

同じ職場に勤務している先輩の医師は、Bさんの症状を見てこう言っていました。

「これまで医師をしてきた経験上、こんな急激に容態が変わるようなものは一度も見たことがない」

そんな出来事からしばらく経った頃、他の病院で勤務している大学時代の同期の医師から、もしかしたらこのBさんの急変と関係があるかもしれない、医療業界で噂される都市伝説的な気味の悪い話を耳にしました。

それは、「この世の中には『デスカルテ』というものが存在する」という話でした。

それが、某映画に出てくるノートのように、そのカルテに記載した診察記事が、未来で本当に引き起こされるというものらしく、日本全国の複数の病院に存在していると言うのです。

それは誰にも気付かれることなく、普通に医療現場で利用されているらしく、具体的にどこでそれが利用されているのかという情報は極めて限られた人にだけオープンにされているということでした。

つまり、現場で働く末端の医師たちは、知らぬ内に、患者の診察内容をデスカルテに記載しているかもしれないと言うのです。

基本的にカルテには、診察を行った上での事実しか記載しないため、未来を予言するような診察記事が記載されることはまずありません。

それでもデスカルテを悪用すれば、誰にも怪しまれることなく狙った人物を殺害することができるため、要人の暗殺などに悪用されているらしいということでした。

「もしかして…この前のBさんの突然死も…」

非常に嫌な予感がし、デスカルテの噂はそれ以降、私の頭から片時も離れることはありませんでした。

それからしばらくの間、迷いに迷った挙句、私は自分の病院にあるカルテがデスカルテなのかどうかをハッキリさせようと決心しました。

私が担当する患者さんの中から、末期の肺がんを患い余命宣告まで出ている方のカルテに、

『がん細胞が突然全て消えて癌が治った』

という未来を予言するような診察記事を、絶対に間違えないように丁寧に記載しました。

すると、本当にその患者さんは突然肺がんから回復し、1ヶ月後には元気な姿で退院して行ったのです。

「やはり私の病院のカルテはデスカルテなのか…」

その仮説を確信に変えるため、それから私は治る見込みのない患者さんのカルテに、回復する未来の診察記事を次々に書き込んでいきました。

すると、回復の見込みがなかった患者さんたちが、全員もれなく元気になり、嬉しそうに退院して行ったんです。

もはや疑う余地もなく、「やはりこれはデスカルテだった…」と確信したその日…

私は病院をクビになりました。

風の噂に、病院を管轄する某省庁が、私の医師免許を剥奪するように圧力をかけたと聞きました。

もしかしたらデスカルテは国家絡みの案件なのかもしれません。

ですが、もはや私にはその真実を知りようもありません。

それでも、世の中にデスカルテは本当に存在する、私はそう確信しています。

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