【怖い話|実話】短編「地面からの声」不思議怪談(神奈川県)

投稿者:サロベツ牛乳 さん(38歳/女性/主婦)
体験場所:神奈川県 足柄上郡

私は専業主婦です。
これは、出産後、初めてママ友との飲み会に行った帰り道での出来事です。

結婚を機に横浜から神奈川県足柄上郡に越して来たばかりだった私は、近くに友達が居ませんでした。
そんな中、子供が通う幼稚園で、3人のママ友と気が合って仲良くなることができました。
それで、たまには私たち主婦も羽を伸ばしてということで、4人で呑みにいく事になったんです。

私達はみんな旦那に子供を預け、最寄り駅から何駅か先の駅前にある居酒屋で、2時間ほど楽しくお酒を呑みました。

ママ友飲み会
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子供を授かってから子育てに追われる日々だったので、久し振りの解放感にお酒も進み、2軒目をハシゴしたところで最終電車がなくなってしまいました。

とはいえ、4人ともそこから自宅まで歩いても3、40分くらいの距離だったので、酔った勢いも手伝ってか、私たちは歩いて帰ることにしたのです。

足柄上郡は神奈川県の端の方にあり、周囲を山々に囲まれた自然豊かな土地で、子育てにはとても良い場所だなと思っていましたが、前に住んでいた横浜に比べると街灯も人通りも少なく、自宅に帰る道のりは思った以上に真っ暗でした。

とはいっても4人での帰り道、私は何の恐怖心もなく、むしろ久しぶりの飲み会での酔いが心地よく、夜風に吹かれて歩くことは全く苦ではありませんでした。

ただ、霊感があると言う一人のママ友だけは、その暗い夜道に怯えていたんです。

20分くらい歩いてある通りに差し掛かった時です。

そのママ友が、そこから見える1本の大木と、その近くにある誰も住んでいない古いアパートを指差してこう言ったんです。

一本の大木と古いアパート
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「前から思ってたんだけど、あそこ、なんか気持ち悪い。」

すると次の瞬間、

『こらぁ』

と、私達の足元から男の人の低い声が聞こえたんです。

その場にいた4人全員が聞きました。

すぐに後ろを振り返りましたが誰の姿もなく、声が聞こえたと思われる足元を見ても、もちろん地面があるだけで誰かが寝そべってるわけもありません。間違いなくそこに居たのは私達だけ。

何が起こったのか理解できず、一瞬静寂が走ったあと、込み上げてくる恐怖に私たちは「キャー」と叫びながら走り出し、そこから一番近かった我が家に避難したんです。

そんなことがあってから数日後、私は先日のことが気になって、例のママ友が気持ち悪いと言っていた場所を昼間にもう一度見に行きました。

不自然に生えている1本の大木と、誰も住んでいないのにいつまでも取り壊されないアパート。それだけでどことなく異質な感じはしますが、他に変わった様子もありません。

だけど先日のこともあってか、昼間でも薄暗いその場所を何となく不気味に感じ、背筋にスッと悪寒が走りました。

自宅の近くにこんな場所があることに多少の嫌悪感を抱き、子供達にもそこには近づかないようにと注意しました。

そんな怖い体験も、日常生活を過ごしていく中で少しずつ忘れつつあった時のことです。

先日の恐怖体験も薄れていた私は、何の気なしに例の場所の少し先の道沿いを通ったのですが、よくお目にかかるご近所のご老人とそこでばったり会い、挨拶がてら世間話をしていました。

その時、ふと道端にある石碑が目に入り、そのご老人に尋ねてみました。

道端の石碑
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すると、それまで朗らかなお顔で話していたご老人の顔が一変、険しい顔してこう教えてくれました。

「あの大木からこの石碑の辺りまでは霊道になっておっての、あのアパートやこの辺りの家ではポルダーガイストが頻繁に起こるんじゃ」

私はあの夜に聞いた声を思い出しました。
「こらぁ」と、まるで地面から発せられたような謎の声、思い出してまた鳥肌が立ちました。

霊感のある方のそばにいると、今まで体験した事のないような心霊現象を一緒に体験することがあると聞きます。
今でもそのママ友とは仲良しで一緒にいる事が多いです。

もしまた心霊体験に遭遇した時は、改めてご報告させて下さい。

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