【怖い話】実話怪談|短編「金縛り1.5ヶ月目」島根県の心霊体験談

投稿者:ヒナコ さん(20代/女性/主婦/島根県在住)
体験場所:島根県の実家

これは、私が島根県の実家で実際に体験した話です。

私は幽霊を見たこともありませんし、その手の話を信じるタイプでもありません。もちろん、特に霊感を持っているわけでもありませんでした。

そんな私が、高校2年生の頃、突然毎晩のように金縛りに遭うようになったのです。

突然毎晩のように金縛りに遭遇
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金縛りに遭う時は、決まって自分の部屋のベッドに入り、身体も温まってきてそろそろ寝れそうだなあ…というタイミングです。

キーンと高い音の耳鳴りが頭の中に響いてきて、段々と身体が痺れ全く動かなくなるのです。

指を動かそうにも動かない。目を開けようにも開かない。右を向こうにも頭がガチガチに固まっている。まるで何かに固定されているようでした。

するとその後、「ハッ!」と急に動けるようになる時がきます。時計を見ると、それは決まって午前2時でした。

初めて金縛りに遭った時はとても不思議な感覚で、何だか特別な体験をしたようで、少し嬉しかったような気持ちもありました。

しかし1ヶ月もの間、毎晩金縛りが続くので、流石に嬉しいなどと言う気持ちもなくなり、不眠と怖さで精神的に参ってきてしまいました。

そこで母に相談すると、「疲れが溜まっているんじゃない?疲れていると金縛りに遭うって聞いたことがあるわよ。」と言われました。

当時、運動部に所属していた私は、放課後は毎日部活動に励んでいたので、自分でも疲れが溜まっているのは分かっていました。

(なんだ、疲れが溜まっているだけか…。)と、少し納得して安心したのですが、それからも半月程は毎晩金縛りが続きました。

人間は不思議なもので、こうも毎晩金縛りに遭うと『慣れ』てくるんですね。

その頃の私は金縛りに遭う前の前兆が分かるようになり、身体が痺れてくる感覚がくると「ああ、またかあ。」と思いながら、その流れに身を任せるようになりました。

もはや金縛りに遭っても驚くことも怖がることもなかったです。

ただ、金縛りが解け身体が動けるようになった後、時計を見るといつも午前2時だったことは不思議に思っていました。

午前2時
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そんなある日のことです。

その日は次の日が休みだったこともあり、母の部屋で、母と私と妹で夜遅くまでDVD鑑賞をしていました。感動系の映画で、3人とも涙ぐんでいた記憶があります。

そして、感動の余韻にひたったまま、その日は一階の母の寝室で母と妹と私の3人で寝ることにしました。布団に入ったのは、午前1時頃だったと思います。

布団に入ったあとも、何故だか私は寝付くことができず、目を瞑った状態で何とか寝ようとしていました。

横からは母の大きなイビキが聞こえてきます。

(…うるさいなぁ)と思いつつ、私の身体も温まってきてウトウトし始めたその時です。

また、キーンと高い耳鳴りが頭に響き始めました。

二階の自室ではなく、一階の母の寝室で金縛りに遭うことは初めてだったので少し戸惑いましたが、1ヶ月半も金縛りに遭っている私には怖いという感覚はありませんでした。

(段々身体が痺れてきて、身体が動かなくなってきて…。これこれ、この感覚。)

少し我慢すれば治まるだろうと、いつもの感覚でいたのですが、その日は何かが違いました。

お腹の上が重いのです…

身体が動かないのはいつも通りですが、重さを感じるのは初めてのことでした。

その時、ふと気付いたのですが、さっきまでうるさかった母のイビキが全く聞こえません。

そして、今日は何だか『目が開けられそう』な感覚があるのです。

他の部分は全く動かせそうな様子はありませんが、何故か『目だけ』は開けられる、そんな気がしました。

(でも、目を開けて何かいたらどうしよう…)と、怖い気持ちもあったのですが、お腹の重さが気になった私は、ゆっくりと目を開きました。

目の前にはぼんやりと白い天井が見えます。

視線を徐々に下に移し、『重さ』を感じるそこを見ると、私のお腹の上には正座をしたお婆さんが乗っていました。

お腹の上に正座をしたお婆さん
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髪は白く下の方でお団子に結っていました。ぼやっとした白い影の塊なのですが、私にははっきりとお婆さんに見えました。

初めて見た幽霊にゾッとして、横にいる母を起こそうと試みましたが、横も向けず、叫ぼうにも声が全く出ません。

横で寝ているはずの母や妹の寝息さえも聞こえなくなっています。

為す術なく、私はどうなってしまうのだろうかと恐怖で怯えていると、それまでずっと私のお腹の上に座っていたお婆さんが、急に私の頭の上を通過するように越え、もの凄い速さで飛んで行ったのです。

その瞬間、ハッ!と身体が動くようになり、母の大きなイビキも再び聞こえ始めました。

時計を見ると、やはり午前2時でした…

疲れのせいなどではない、明らかに何か意味のある金縛りに私は改めて恐怖を感じ、次の日、母と父に昨晩あった出来事を話しました。

すると、私の話を聞いた父が、重たい口を開け話し始めました。

「怖がってもいけないからと思って黙っていたけど、実はこの家は霊道にかかっているそうなんだ。お父さんもそんなこと信じていなかったんだけどなぁ…」

そう言って口ごもる父が言うには、家の裏山には神社があり、ちょうど我が家はその神社へ向かう霊の通り道になっているようなのです。

裏山の神社への霊道
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それと、後で調べて分かった事なのですが、午前2時は丑の刻(午前1時~午前3時)と呼ばれる時間帯で、現世が常世へと繋がる時刻なんだそうです。

あの日、私が見たお婆さんは、神社へ向かう途中の、あの世から来た誰かだったのでしょうか?

でも、その日を境に金縛りに遭うことはすっかりなくなりました。

お婆さんが何処かに飛んで行ったからだと思っていましたが、我家が霊道である以上、またあの世の何かが私の上を通って神社に向かうと思うと、あの頃は寝付けない日もしばしばありました。

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