【怖い話】実話怪談|短編「奇妙な立ち話」東京都の心霊体験談

投稿者:しろぶんちょ さん(40代/女性/主婦/長崎県在住)
体験場所:東京都板橋区の自宅
お隣さん
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以前、東京で住んでいた家で経験した話です。

大きな土地を二分割して戸建てが二軒建ち、手前に住んでいたのが我が家、隣には他所様の家族が住んでいました。

二軒とも南側には大きな駐車場があり、どちらの家もその駐車場に面する一階部分に夫婦の寝室を設けていました。

あれはまだ初夏の頃。

涼しい風が入ってくるので窓を開けて寝ていました。

お隣さんもそうだったのでしょう。

朝早く、お隣さんの話す声で目が覚めたのです。

まだ外は完全には明るくはなっていなかったこともあり、初夏とは言えまだ6時前だろうと思いました。

(こんな時間に起きてるんだ、早いなぁ)

って思いながらも、もう少し、目覚ましがなるまで寝ようと寝返りを打って(あれ?)と気が付きました。

お隣さんの声が部屋の中から聞こえるだけではなく、駐車場にも誰かいて、その駐車場にいる人とお隣さんが話しているようなのです。

お隣さんの立ち話
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(こんな時間に?)

(駐車場から寝室にいるお隣さんと誰が話しているの?)

と驚いた私は、失礼と思いながらもその内容に聞き耳を立ててしまいました。

ぼそぼそと低い小さい声でしたが、話す内容はしっかり聞き取れたのです。

駐車場にいる男性は、どうやらお隣さんの旦那様のお兄さんのようでした。

「お前は小さい頃やんちゃで、ケガばっかりしていて。

二人で川で溺れそうになった時、釣りをしている人に助けられて、しこたま怒られたこともあったよな。

その後お父さんにも怒られてさ。」

なんて昔話をしているのが聞こえるんですが、私からしたら、

(こんな状況で話すことでもないよなぁ)

と不思議に思ったのですが、話はまだまだ続くんです。

「俺が病気になってからは迷惑をかけたな。

何度も病院に駆けつけてくれたり、俺の家族を支えてもらったり、本当に申し訳なかったと思う。」

お兄さん病気だったんだ。

退院されたのかな?

それにしてもこの時間に弟夫婦を訪ねるかな?

とまだまだ疑問でいっぱいの私。

「俺はもう行かなきゃいけないから。

これからもいろいろ面倒かけてしまうけど、俺の家族のことを頼んでもいいか。

本当にいろいろと世話になってすまない。

行く前に、お前にはそのことだけは伝えたかった。

今までいろいろありがとう。」

この言葉を最後に、外は急に静かになりました。

静かになった
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その後もお隣さんはご夫婦でぼそぼそと話しているようで、その内にケータイの音が鳴り響き、何だかあわただしい様子でした。

朝起きてから主人にその話をすると、

「俺は全く気が付かなかったけどね。夢でも見てたんじゃないの?」

と言われました。

確かに少しの物音でも目が覚める主人が気が付かなかったのに、普段地震が起きてもずっと寝ているような私が気が付いて、その会話の一部始終を聞いたなんておかしいよね、なんて思いつつ。

数日後、たまたまゴミ捨て場で遭遇したお隣の奥様と挨拶がてら、

「何日か前、朝早くにどなたか尋ねて来られてないですよね?そんな夢を見て。」

って話したら、奥様の顔がみるみると青白く変わっていくのがわかりました。

驚くお隣さん
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「何か見ました?声、聞こえたんですか?」

ってすごい勢いで、私がびっくりしてしまうぐらいで。

「いえ、ずっとベッドに入っていたので窓の外は見てないですけど、男性の声が聞こえて・・・」

と正直に言いました。

奥様いわく、旦那様のお兄さんが正にその朝、病院で亡くなったのだそうです。

ずっと闘病していたお兄さんが別れを告げに来られたのを私が聞いてしまったようで。

状態が急変して、亡くなられるまであっという間だったそうで、病院からご家族に電話があったのは、既に亡くなられてからだったそうです。

そしてお兄さんが訪ねて来られた時刻は、その急変のタイミングだったとのことで、死を悟られたお兄さんが、最後の言葉を告げに来られたということだったみたいです。

ご自身の最後の瞬間に、弟に自分の家族のことを「よろしく頼む」とお願いし、感謝の言葉を告げに来られるなんて、とても家族愛に溢れた義理堅い方だったんだなぁと、私は感心するばかりでした。

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