【怖い話】心霊実話|短編「黒いお坊さん」岡山県の恐怖怪談

投稿者:そら さん(20代/女性/主婦)
体験場所:岡山県倉敷市の祖父母宅
【怖い話】心霊実話|短編「黒いお坊さん」岡山県の恐怖怪談

岡山県倉敷市に住んでいる祖父母の家の2階には、いつからか分かりませんが、大きくて黒いお坊さんが居るのです。

それに私が出会ったのは、まだ小学生低学年の頃で、祖父母の家へ週末、母と弟と一緒に泊まりに行った時のことでした。

日曜日は祖母と共に出かける予定だったので、前日の土曜日の夕方から、私たち家族は泊まりの準備をして祖父母の家へ向かいました。

祖父母の家に到着し、ご飯を食べ、お風呂にも入った後、翌日早かったこともあり、私たち家族は早々に2階にある空き部屋で眠りに就きました。

みんなが寝静まってから数時間後、恐らく2時か3時頃のことです。
夜中にふと目が覚めた私は、何の気なしに目を開けました。

すると目の前にとても大きくて黒っぽいお坊さんのような格好をした人が立っており、その人が私を覗き込んでいたんです。

決して低くはない祖母の家の天井に届きそうなほど大きなその人は、黒っぽい法衣のようなものを身にまとっているのが分かります。

なんと表現したらいいのか分かりませんが、うっすらと靄が掛かった感じに見えるそのお坊さんの顔は、口元が見えるだけで、目元などはまるでモザイクが掛かっているような感じでハッキリとは見えません。

驚いた私は悲鳴を上げようとするも、金縛りに掛かっているのか体が動かせず、声も出せませんでした。

そんな私の顔をお坊さんはしばらく覗いた後、急に口を開いたかと思うと、耳が割れるほどの大声でお経らしきものを唱え始め、そのまま私の周りをぐるぐると回り始めたんです。

私は何が起きているのか理解できないまま、その後気絶してしまったのか眠ってしまったのか定かではありませんが、私の記憶はそこで途絶えており、気が付くと朝になっていました。

「早く起きなさい、出掛けるよ!」

母にそう言って起こされた私は、ものすごく汗をかいていて服がびっしょり濡れていたのを覚えています。

当時小学生だった私でも、昨夜の出来事は余りに非現実的に感じられ、流石に夢だろう、それにしてもすごく怖い夢だったなと思う程度で、そのことは直ぐに忘れ去られていったんです。

それから数年後、私が中学生になった頃、また祖母の家に家族でご飯を食べに行った時でした。

たまたま放送していたホラー番組を見ていると、ふと母が、

「そう言えば…前に2階の部屋で、すごく大きくて黒っぽいお坊さんの夢を見たような…」

そんなことを言い出したのです。

それを聞いた私は、小学生の頃のあの晩の記憶が甦り、

「…それって、すごく大きな声でお経みたいなのを唱える人のこと?」

と言うと、母は驚いたような表情で、

「そう!それそれ!なんで知ってるの?あんたも見たことあるの?」

そう聞いてくる母に、当時、怖い夢だと思っていたあの夜の体験を話すと、母もあの部屋で同じような体験をし、私と同じく夢だと思っていたと言います。

でも、二人で全く同じ夢を見るなんてことがあるのかと不思議に思っていると、それまで黙っていた祖父がこんなことを言うんです。

「ああ、お前らも会ったのか。いつからか知らないが、2階にいるんだよ。黒いお坊さんが。」

祖父も見たことがあると言うそのお坊さんは、少しばかり気味が悪く、うるさいほど大きな声でお経を唱えたりはするが、それ以外には特に何をするでもないのでそのまま放っといていると言うのです。

そのお坊さんが家と何の関係があり、何故そこにいるのかは全く分からないが、かれこれ少なくとも20年前からずっといるのだそうです。

それからというもの、私は祖父母の家に泊まりに行っても、2階のその部屋で寝ることは避けるようになりました。

現在私は結婚して他県に引っ越してしまい、祖父母の家に泊まることもなくなったので、あのお坊さんの所在は不明です。

ですが、祖父から話を聞いた時点で20年も前からずっと居ると言っていたお坊さんが、そう簡単に消えるとも思えず、おそらく祖父母の家の2階の空き部屋で、今も時々、大声でお経を唱えているんだろうなと思っています。

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