【怖い話|実話】短編「元カレの生霊」心霊怪談(神奈川県)

【怖い話|実話】短編「元カレの生霊」心霊怪談(神奈川県)
投稿者:hana coco さん(30代/女性/主婦)
体験場所:神奈川県 鎌倉市

私が20代前半の頃にお付き合いしていた男性は、とても女性にモテる方でした。

もちろん私も憧れていた人で、そんな人と付き合うことが出来たのが嬉しくて、毎日楽しく過ごせていたのですが、ある時、彼の浮気が発覚。程なくして別れることになりました。

別れてからというもの、私は泣きながら眠るような日々を過ごしました。
そんな日が一ヶ月も過ぎようとする頃から、私は不気味な夢を見るようになったんです

夢には元カレが出てくるのですが、彼の顔の部分だけがグチャグチャに変形し、血だらけなのです。

それから毎日その夢を見るのですが、見る度に夢の内容はドラマのように継続し、最初は顔だけがグチャグチャだった彼は、見る度に身体までグチャグチャと歪んでいき、徐々に人だと認識できないような姿になっていきました。

それに、見る度にグチャグチャになっていく元カレが、徐々に私に近寄って来ているのが分かりました。
私は彼から逃げようとするのですが、なぜか足が前に進まなかったり、場合によっては大きな蛇のような生き物が現われて私を押さえ付けるので、夢を見る度に彼との距離は縮まっていきました。

夢から目覚めると、毎回汗をびっしょりとかいていて、私は日に日に眠るのが怖くなってきました。

せめて誰か一緒にいてくれたらという思いと、もしかしたら自分の部屋じゃなければこの夢を見ないで済むかもしれないという思いから、その日、元カレとの経緯を知る友人にわけを話して、彼女の家に泊めてもらうことにしました。

でも、結局そこでもまた同じ夢を見ました。

その日の夢では、元カレが手を伸ばしてきて、遂に私は掴まれそうになったのですが、その瞬間、「〇〇」と、現実の耳元で私の名前を呼ぶ声が聞こえ思わず飛び起きました。

感覚がおぼつかないまま目を覚ますと、こんな状況なのに友人がふざけて驚かそうとしているのだと思い、私は怒りが込み上げキッと友人を睨みつけたのですが、彼女は隣でぐっすりと寝ています。

私はもうどうしていいか分からず思わず声を上げて泣いてしまうと、それに反応して目を覚ました友人が起き上がり、慌てながらこんなことを言いました。

「私の夢にもアンタの元カレが出てきた。それで私がアンタのことを助けようとしたら、突然蛇が現われて殺されそうになったんだ。これって、本当に危ないのかもしれない。朝になったら一緒にお祓いに行こう」

友人の真剣な表情を前に、溢れ出ていた私の涙もピタッと止まり、それから私たちは朝までつかみどころのない恐怖に駆られながら、とにかくお祓いしてもらえるところを探しました。

すると友人が、茨城県のとある霊媒師を見つけてくれ、すぐに連絡をしてみると、

「今すぐ来てください。」

霊媒師の方にそう言われ、私たちは早朝の電車に飛び乗り茨城へ向かいました。

実際にお会いした霊媒師の方は50代くらいの女性でした。

私たちを見るなり直ぐに、

「大変でしたね、怖かったでしょう。間に合ってよかった。」

そう言って部屋に招き入れて下さいました。

改めて事情を説明すると、説明が終わる前に唐突にお祓いが始まりました。

私には小さな手鏡が渡され、お祓いの間それから目を逸らさず見ているようにと言われました。

霊媒師の方が唱え続けるお経を聞いていると、鏡に映る自分の顔がユラユラと渦を巻くように歪み始め、次第にその渦が段々と蛇のような形になっていきました。

その気味の悪さに思わず手鏡を落としそうになると、

「絶対に目を逸らさないで!今、あなたの身体から生霊を出しています!」

霊媒師の方にそう言われ、私も必死で恐怖に耐え、鏡を見つめ続けました。

30分ほどお経を聞き続けていると、いつの間にか鏡の中の蛇のような渦は消えていて、そこに自分の顔がハッキリと写っていることに気が付きました。

すると霊媒師の方がお経を唱えるのをやめ、こう声を掛けてくれたんです。

「もうお二人とも大丈夫です。〇〇さんには予想通り元カレの生霊がついていました。かなり執着している。その執着が蛇に形を変えて現れていました。向こうは別れたくなかったみたい。だからあなたを孤立させて自分の元に戻そうと、無意識のうちに生霊を飛ばしたのでしょう。特に子宮の周りに強い影響が出ていて、もしこのままにしていたら病気になっていたかもしれません。その影響はご友人にも飛んでしまい、夢の中にも引きずり込まれたようですが、もう大丈夫です。縁を断ち切っておきましたので、今後は心配ないでしょう。」

その言葉を聞いて、不安で張りつめていた心が一気に救われ、私は思わずその場で号泣してしまいました。

隣で一緒にお祓いを受けていた友人が帰りの道すがら言うには、お祓いの間、私の背中から白く細長いモヤのようなものが飛び出して消えていく様子が見えていたそうです。

普通の恋愛をしていたつもりですが、まさかこんなことに巻き込まれてしまうとは思いもしませんでした。

協力してくれた友人にも、迅速な対応をして下さった霊媒師の方にも、心から感謝しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました