体験場所:岐阜県岐阜市の某居酒屋
岐阜県岐阜市の某居酒屋で大学時代の友人達と、夏の計画を立てていた時の話です。
大学卒業後、毎年恒例となっていて、みんなで年に一回、海や山、時には海外旅行に行ったりしていました。
今年はどうしようかと話し合っていた時、幽霊が出るキャンプ場が近くにあると、友人の一人が話し始めました。
キャンプをしていると、いつの間にか人数が増えていたり、夜中にテントの周りを白い影がぐるぐると歩き回ったり、それに近くを流れる川で泳いでいると、足を引っ張られたりするとのことでした。
怖さ半分、面白さ半分でみんな大盛り上がりし、
「そこへ行こう!」
と誰かが声を発すると、
「やめておけ…」
と、近くにいた居酒屋の店員さんに言われたんです。
「なんでですか?」
そう質問すると、その店員さんはこう言いました。
「以前、そのキャンプ場へ遊びに行った客がいたんだ。その客らもお前らと一緒で、怖いもの見たさで半分面白がってキャンプに行ったんだ…」
↓ここからは、その店員さんの話↓
キャンプ場では、昼間はみんなでバーベキューなんかをして楽しんでいた。
だけど夜になると『ギ―、ギ―、ギ―』と、妙な声が聞こえ始めたんだ。
「鳥か虫か、コウモリとかだろ。」
そう言って、みんな聞き流していたんだが、そのうち女の子の一人が、
「怖いから帰りたい」
って泣き出したんだ。
なだめてもなだめても泣き止まないから、仕方なくその子を帰すことにした。
女の子を駅まで送る為に、一人の男の子が車を出して、女の子を乗せて出発したんだ。
しかし、夜中になっても、彼は帰ってこなかった。
心配になって電話したけど、圏外で繋がらない。
「もしかしたら、二人でイイ感じになってホテルにでもいったのかも…」
残った連中はそう考えることにして眠りについた。
朝になっても彼は帰っていなかった。
心配しながらも、皆で朝食をとろうと集まった時、遠くの方に青白い女の姿が見えた。
裸足で、髪の毛はぐちゃぐちゃ、誰の目から見てもその姿は幽霊だった。
「やっぱり出た!?」
と半狂乱で皆がワーキャー叫び声をあげる中、女はどんどん近付いて来た。
しかし、女が間近まで来ると、誰もが叫ぶのをやめ女の顔をマジマジと見つめた。
昨日、車で帰ったはずの女の子だった。
彼女はガタガタと震えていた。
「一体どうしてここにいるんだ?」
と質問すると、彼女は上擦る声でこう話し始めた。
「駅に向かう途中で急に車が故障して…それで一緒にいた彼が車の状態を見に外に出たんだけど、そのままどこかへ行ってしまったの。
心配になって、私も外に出て彼を探していたら、急に不気味な音が聞こえてきて、怖くなって思わず私はその場でうずくまったわ。
そしたら乗ってきた車のドアがバタンと閉まる音がして、反射的に車の方を見ると、中に彼が乗っていたの。
だから、私も車に戻ってドアを開けようとしたんだけど、ドアがロックされて開けられなかった。
ドンドンとドアを叩いても、彼は無視するし…
それで私が彼のことを睨みつけてると…
彼が…今まで見たこともない…気味の悪い恐ろしい形相で…ニタ~と笑いだしたの。
それで私、怖くなって、そのままここまで逃げてきたの。」
なぜそんなことになったのか、彼の行動が誰にも理解できず、心配になって皆でその現場まで向かった。
彼の車はまだそこにあった。
だが、中を覗いても、そこには誰の姿もなかった。
そして、彼はそのまま行方不明になった。
↑店員さんの話はここまで↑
店員さんが真面目な顔でそんなことを話すので、
「本当ですか!?冗談でしょ?w」
と、私たちは笑いながら言いました。
すると、定員さんは、店の隅に貼ってあるポスターを指差しました。
そこには、
”行方不明者 情報提供求む”
と、人物写真と共に大きく書かれた貼り紙がありました。
「マジか・・・・。」
正直僕はゾッとしたのですが、ほかの連中は逆に喜んでいるようで、
「面白そうだし、やっぱり行ってみようぜ!」
もう、みんなの悪ノリは止められそうにありませんでした。
すると、その定員さんは、
「ならさ、キャンプ場に行ったら、あのポスターの人を探してくれよ。頼んだぞ。」
と言い残し、そのまま店の奥へ行ってしまいました。
「面白い話聞けたな!」
みんな喜んで、改めてポスターをマジマジと見ました。
それで誰もが絶句しました。
そのポスターに載っていた写真…
今、話をしてくれた定員さんだったんです。
思わず今さっき店員さんが下がった奥の方を見ましたが、誰もいません。
他の店員さんを捕まえて、
「あ、あの、こ、この、ポスターの人は?」
と聞くと、
「ああ、うちの常連だったんだけど、キャンプ場で行方不明になってしまって…」
と。。。
さっきまで、僕らがずっと話していた店員さんは、一体誰だったのでしょうか…
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