【怖い話|実話】短編「新聞配達」心霊怪談(山口県)

山口県:新聞配達
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投稿者:すー3 さん(36歳/男性/会社員)
体験場所:山口県I市

私は高校1年生の時から地元の山口県I市で新聞配達のアルバイトに従事しており、朝4時から5時30分頃まで、週5日で働いていました。

アルバイトを始めた当初から割り当てられたエリアは変わることなく、アルバイトを辞める高校卒業前までの約3年間、ずっと同じエリアを担当していました。

ある日の配達でのことです(記憶では高2の冬頃)。

いつもの通い慣れた道をカブを走らせ担当エリアに向かう途中、小学校の横に併設された公園があるのですが、その前を通り過ぎようとした時、公園の中から何か言葉では言い表せない気味の悪い気配を感じました。

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私は小さい頃から霊感が人より強く、同じく霊感が強い母と二人、他の家族には感じられない気配を同時に感じたり、家の中で知らない人影を見たりすることが度々ありました。

なので、新聞配達を長年していると、まだ夜が明け切る前の暗闇の中に、嫌な気配を感じることが時々あり、そんな時は意識的に気配の方を見ないようにしていたんです。

なのでその時も、いつも通り嫌な気配がする公園側を見ないようにして通り過ぎたんです。

公園を通り過ぎて少し行くと、今度は大きな病院が出てくるのですが、その辺りからが私が担当する配達エリアとなります。

病院周辺にも配達先の家が数軒あり、病院の横の小道を抜けてその辺りの住宅へ向かいます。

小道に入る手前辺りで、5階建ての病院の側面全体が見えるのですが、廊下の突き当りとなっているそこは一面ガラス張りになっています。

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全ての階、窓の内側は非常階段を示す緑のライトで照らされいて、その灯りが病院特有の独特な雰囲気を漂わせているように感じていました。
普段ならそれを横目に「不気味だなぁ」と思う程度なのですが、その日は明らかにいつもと違いました。

さきほど公園で感じた気持ち悪さと同じ気配を、その病院からも感じたのです。
もちろん公園と同様、私は病院には目を向けないように注意して住宅に抜ける小道に入りました。

大きな病院なので、小道を走りながらもチラチラとその姿が横目に入るのですが、公園から続く妙な胸騒ぎもあったので、絶対に病院を見ないように神経を使いながらカブを走らせました。

何とかその日の配達も無事に終え、営業所に戻る途中でした。
あの公園の前に数台のパトカーが停まっていたんです。

通り際、チラッと公園内を覗くと、そこには数人の警察官の姿と、ブルーシートで覆われた藤棚が見えました。

近所の野次馬も何人か様子を見に来ており、ただ事ではないことは分かりましたが、私はカブを停めることなく公園を通り過ぎました。

営業所に戻ると、世間話程度にその日感じた不気味な気配と、公園のパトカーのことを営業所長に伝え、私は学校に行く準備があるので足早に帰宅したんです。

翌日、いつも通りに出勤すると、営業所長が私の方に近寄ってきたかと思うと、

「知らん方がいいよなぁ~」

そう呟いて、再び向こうへ行ってしまいました。
特にそれ以上こちらから聞くこともなく、その日もいつも通り配達に向かいました。

すっかり昨日の出来事を忘れていた私は、公園の横も普通に通り過ぎたのですが、病院横の小路に入ろうとした時、無意識に病院の方に目を向けたのです。

すると、3階のガラス窓の前にパジャマ姿の男の子が立っていて、なぜかこちらを見下ろしているんです。

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非常階段表示灯の緑の光に照らされた男の子の姿はどこか不自然で、異常なほど脇を広げたその姿勢は、冷静になればなる程どこか異常に思え、まだ薄暗い早朝のせいかとても気味の悪い光景に感じたのです。

その途端、昨日の公園や病院で感じた不気味な気配がフラッシュバックし、私はすぐに男の子から目を逸らし慌ててカブを走らせました。

妙な寒気にまとわり付かれながらも、その日も安全運転で配達を終わらせて、営業所に戻りました。

すると、営業所長がまた近寄ってきて、今度は何か言い辛そうに話し始めました。

「昨日、君が気持ち悪い気配を感じたって言ってた公園があるじゃない?
そこの藤棚で、昨日の朝、中学生の男の子が首を吊って自殺していたらしいんだ。」

「えっ…」

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驚いて言葉が出ない私に、営業所長が続けて言うには…

私が配達前に公園の前を通り過ぎた時には、既に男の子は首を吊った後だったということ。
そして第一発見者は、早朝出勤中だった隣の小学校の教頭先生だったらしく、時間は朝5時頃とのことでした。

ということは、私が公園から漂う不気味な気配を感じていたあの時、公園の藤棚には…
所長の話を聞いて、何となく背中がゾクリとしたんです。

それと後で聞いた話なのですが、あの病院の3階は重病患者が入院する階だったそうです。

公園と病院から感じたあの気味の悪い気配、そこに何か因果関係があったのかは分かりません。

ただ、公園で首を吊ったという男の子と、私が病院で見た不気味な男の子、そのタイミングがあまりにもリンクしているように感じ、正直、無関係とは思えないのですが…まぁ敢えて知りたくはありませんが。

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